2020年07月25日05時22分掲載
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アジア
ソウルのろうそくデモを支えたソウル市長、朴元淳さん さようなら
ソウル市長の朴元淳さんが自殺をした事件は韓国のみならず、日本でも大きな悲しみを起こしています。日刊ベリタでは2016年11月にソウルのろうそくデモの記事を出しました。この記事はソウルを訪ねた在日韓国人の方の情報に基づいていました。大統領という最高の国家権力者と闘う市民の姿が描かれていていました。日本と比べると、市民の民主主義への願いの強さ、その思想および行動の力を見せつけられた気がしました。そのデモを支えていた人物がソウル市長だった朴元淳さんでした。2016年の記事をもう一度ここに掲載いたします。
■ソウル 朴大統領の退陣を求める大規模抗議デモ 80年代以来最大の怒り
ソウルでは毎週土曜日に市民が集まって朴槿恵大統領退陣を求めるデモを続けてきた。今回で5回目となる。昨日26日は過去最多の150万人(主催者発表)が集まったという。また、ソウル以外の各地でも抗議デモが行われた。
朴槿恵大統領が国家機密を恩師の娘で友人の崔順実(チェ・スンシル)氏に漏洩し、政策のアドバイスを私的に受けていたことが暴露された件だ。朴槿恵政権発足後、様々な形で強権政治を感じてきた市民にとっては一斉に立ち上がるきっかけとなった。韓国では親の資産や人脈のおかげで政治や経済の分野で高い地位に苦労なくつく子弟が多い。一方、多くの若者は高等教育への就学もさらには就職も困難になっており、政治を私物化していた朴槿恵大統領への市民の怒りはかつてなく高まっている。
この抗議デモに参加した人の話。
「毎週毎週いつまで続くかという状態ですが、デモに参加しない市井の人々もこの状態を見守り、乗ったタクシーの運転手さんの言葉は『政府にとってこの暴力のないデモが一番の脅威になると』。本当に整然と、しかし力強いシュプレヒコールです。中に座ると、中学生、高校生が演壇で意見を言っています。すばらしい檄です。『朝露』の歌を聞き共に歌い,光化門まで(私たちは市庁前から)行進が始まりました。多くの人々は座った時のゴミを拾い、前が見えないままでも混乱なく檄を飛ばしながら歩きます。親子、恋人、友人、一人、小団体、ソウル市長が、この状況を作るために全面協力しています。人々が安全に集まり帰れるようにすべての策を組み立てています。穏やかで激しい集会でした。集会の中の一人であることに感謝しました。」
ソウル市長も市民の抗議デモを応援しているのだという。この参加者のコメントに出てくる「朝露」の歌とは、70年代から80年代にかけて軍事独裁政権に対して韓国で激しい民主化運動が行われていた時の象徴的な歌だという。
※「朝露」
https://www.youtube.com/watch?v=3cD9Idzbbgo
貴重な写真や情報を送ってくださった方々に感謝します。
■ハンギョレ新聞「190万人がキャンドル集会で下野要求...5週連続で記録更新」
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/25776.html
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