2020年07月31日23時06分掲載
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農と食
ブラジルからEUへ輸出される大豆 2割が違法な森林伐採の農地から
ブラジルや欧米の研究グループはこのほど、ブラジルからEUへ輸出される大豆の約20%、牛肉17%が違法な森林伐採の結果である可能性があるという研究結果をScience誌に発表した。EUがブラジルから輸入する大豆は主に飼料用だという。ブラジル・アマゾンでは、違法な森林伐採が続き、気候危機に対して大きな影響を与えるとして非難されている。(有機農業ニュースクリップ)
研究グループは、既存のシステムを利用して「土地レベルで環境コンプライアンスを強制する国と公共の監視システムを導入し、同国の主要な農業サプライチェーンにおける森林破壊を大幅に削減する」ことが可能であることを示したと述べているという
研究グループははまた、「このセクターの一部が自国の環境法を遵守しておらず、政府が過去の環境面での実績を台無しにしている中で、世界で最も持続可能な農業であると主張するだけでは十分ではない」と述べているという。
・Science, 2020-7-17
The rotten apples of Brazil's agribusiness
https://science.sciencemag.org/content/369/6501/246
・Guardian, 2020-7-16
A fifth of Brazilian soy in Europe is result of deforestation
https://www.theguardian.com/environment/2020/jul/16/a-fifth-of-brazilian-soy-in-europe-is-result-of-deforestation-amazon-jair-bolsonaro
この問題は、日本も無縁ではない。2019年、日本は340万トンの大豆を輸入しているが、約7割が米国産大豆で、ブラジル産は55万トンでシェアは17%。ブラジルの大豆生産は、ほとんどが遺伝子組み換え品種であり、ブラジル産輸入大豆も多くが遺伝子組み換え大豆と思われる。日本がブラジルから輸入する大豆が、違法な森林破壊の結果かは明らかではない。
もう一つ指摘された牛肉について、日本は2015年にブラジル産牛肉の輸入を再開しているが、貿易統計(財務省)によれば、2019年の輸入はない。
表.国別輸入大豆(2019年) [万トン]
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米国 248.5 (74.2%)
ブラジル 55.0 (17.0%)
カナダ 33,0 ( 8.9%)
中国 2.4
その他 0.2
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合 計 339.2
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