2020年08月14日16時09分掲載
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コラム
自民党復活への道 女性議員の刷新が急務
自民党ではポスト安倍をめぐって、岸田か、石破かといった議論が起きているようだが、自民党の危機はその程度では収まらないだろう。根本的に小泉首相時代から20年間、自民党は内側からぶっこわされ続けてきたのだ。20年間の破壊と腐食は党としてはソビエト共産党と劣らない程甚大である。その象徴は安倍政権が女性が輝ける国を標榜しながら実態はむしろ女性にとって暮らしづらい国でしかない、という惨状である。そして、それは自民党の女性議員のタイプに如実に出ている。
生活などより国防を掲げるような、男性保守派党員に媚びるような、男性以上に勇猛果敢さをアピールする女性議員が目立つ。こうした症状は世界の潮流から外れた末期症状であるのだが、自民党という象の中にいては客観的に自らを把握できていないに違いない。女性が暮らしにくい国は、若い世代の眼には男性にとっても暮らしにくい国と映るはずだ。そのことは女性への職業差別だけでなく、長時間の労働時間や低い最低賃金、あるいは削減されゆく福祉ともつながっている。さらに言えば、現職の自民党女性議員たちのタカ派的な言動を見れば、無謀な戦争を始めて日本をむしろ滅亡にすら陥れかねない不安を感じる人も少なくあるまい。女性の良さを生かすよりも、男性の愚かさを増幅して再生産しているかのような女性議員が自民党には目立つのだ。
今、自民党にとって最も必要なことは女性議員を半数まで増やすことだが、そのためには女性政治家のイメージをこれまでのタイプから決別させなければ不可能だ(今の自民党の女性議員みたいになりたいという女性が日本にいったい何人いるだろうか?)。もし、それができれば、自民党は新しい力を得て、次の20年間への展望が開けるだろう。今、安倍政権の支持率が低迷していることを改革する好機ととらえられる政治家こそ、次の自民党総裁にふさわしい政治家である。
南田望洋
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