2020年09月28日20時14分掲載  無料記事
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大庭英子著「パンでごはん」  何気ないパンを自宅でご馳走にするノウハウ

  西東社から刊行された「パンでごはん」(大庭英子著)は、今こそそのありがたみが今まで以上に実感できる本でしょう。トースト、サンドイッチ、ロールパンなど、スーパーで買える日常のパンに一工夫して、自家製の総菜パンを作るノウハウが詰まっています。たとえばトーストならバターを塗るだけでなく、1つ加えて、たとえばゆずこしょうバターやチーズ黒こしょうバター、バジルバターなど、トーストの世界が大きく広がります。あるいはツナマヨディップやアボカドディップのように、パンに載せて食べるディップの提案も出ています。トーストなど何十年と食べていながら、マーガリンかバター、あるいはジャムを塗るぐらいしか、やったことがありませんでした。その意味では、トースト革命と言えるほどのインパクトがあります。こうした変化は、通常、お店の新商品に私たちは期待するのが日常でしたが、自分でその気になれば、自分の好みのパンの食べ方ができることに気づかせてくれます。 
 
  様々なサンドイッチの一工夫に加えて、コロッケドッグや、焼きそばドッグ、ナポリタンドッグなどもノウハウが紹介されています。カレーパンやピロシキ風揚げパン、またりんごシナモントーストなどの甘い菓子パンも作れます。 
 
  おにぎりと同様、サンドイッチや総菜パンも、今までコンビニやスーパーなどの定番を食べることが多かったのですが、そういう商品は店側の採算ベースや管理ベースでデザインされるために、私たちが時々の本当に食べたいもの、というわけでは必ずしもありません。それなのに、そうした生活にはまってしまうと、それしか選択肢がないと次第に思うようになるものです。その意味で、本書は想像力をかき立て、食べることへの情熱を今一度、思い出させてくれる本です。 


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