2020年10月05日11時52分掲載
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米国
PBSがボブ・ウッドワード記者にインタビュー トランプ政権を描いた最新刊「Rage(憤り)」
米大統領選挙の投票まで1か月。佳境にさしかかり、現職大統領がCOVID-19に感染する、という波乱ぶくみの展開。9月にウォーターゲイト事件の報道で知られるワシントンポスト紙のボブ・ウッドワード記者(役職的には記者と言うより編集幹部)が新刊を出しました。タイトルは「Rage(憤り)」です。中身はトランプ政権です。COVID-19が流行する政権の後半に軸があります。この本につき、公共放送のPBSが著者へのインタビューを行っています。
ウッドワード氏が「Rage(憤り)」を書き始めた時は昨年12月で、未だCOVID-19は大問題になっていない時期だった、と言っています。大統領選前にトランプ大統領の思考を記した本を出すということで10か月間の合計9時間にわたる大統領への直接のインタビューのほかに、他の人々へのインタビューを含めた本になっているようです。本書の売りとして、オーヴァルオフィス(大統領執務室)に録音機を持ち込み、誰よりもトランプ大統領の内面の思考と感情に切り込んだとウッドワード氏は語っています。トランプ大統領がジャーナリストをこれまで敵視してきたことを考えると、ウッドワード記者へのとトランプ大統領の協力姿勢は異例にも見えます。(前著「Fear(恐れ)」を執筆した時はウッドワード記者はトランプ大統領にはインタビューしなかった。大統領が応じないだろうと思い込んでいたからだった。ところが今回、インタビューを申し込むと、積極的に話したがったと言う)それだけ大統領の孤独感も強いのかもしれません。このことは、トランプ大統領がツイッターでしばしば思いを発信していることと結びついているようです。
PBSの司会者ロバート・コスタはウッドワード記者に「Rage」で特に注目に値するのは国家安全保障に関する記載で、国務長官のRex Tillersonと国防長官のJames Mattisがトランプ大統領と意見が食い違い、更迭あるいは辞職したことに関する記載だと語っています。
※PBSによるウッドワード記者へのインタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=DKOYAN-QtQc
※ウッドワード記者の妻、エルザ・ウォルシュ(Elsa Walsh)氏へのインタビュー
(Charlie Rose)
https://charlierose.com/videos/11356
PBSのウッドワード記者へのインタビューの最後に言及されているのが妻のエルザ・ウォルシュ氏が何度も「Rage」の原稿を読み返して、夫にアドバイスをしていたことだ。ウォルシュ氏もワシントンポスト紙の記者である。
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