2020年10月09日15時17分掲載
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コラム
「ひるおび」もちきゅう座もずれている「学術会議任命拒否」問題 〜核心は「大学の軍事研究への協力」〜 矢沢国光(やざわくにてる):ちきゅう座会員
テレビの「ひるおび」だけではない。ちきゅう座の投稿も、私にはずれているように思える。
「学問の自由が侵される」と言えば、「任命拒否されたくらいでものが言えなくなるのは学者ではない」。
「首相の任命権は形式的なもので、推薦を拒否することはできない」と言えば「任命責任は首相にあるから拒否権もある」
はては「政権のいいなりにならないためには政府の外にでるべきだ」、「学術会議の推薦基準が曖昧」、「芸術院と同様学術会議の存在そのものが問題だ」…。
自民党の中には、今回の「6名任命拒否」を譲歩することなく貫徹すべきとする強硬論が強いと言われる。
彼らはなぜ任命拒否をごり押ししようとするのか?
問題の核心は、学術会議が、2017年に「軍事的安全保障研究に関する声明」
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-s243.pdf
を出したことにあると考える。
この声明は、2015年にはじまった防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」に対して出された。
防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」は、「防衛分野での将来における研究開発に資することを期待し、先進的な民生技術についての基礎研究を公募・委託する」公募制度であるが、大学として応募を認めない見解を出している国公立大・私大も多い。
安保法制で改憲を先取りし、専守防衛から「敵基地」先制攻撃への飛躍もねらう「安倍内閣」(菅首相はその継承内閣であると自認している)にとって、大学の理工系研究者が軍事研究に手を出せないのは、どうしてもゆるせないことなのだ。
もう一度強調したい。学術会議問題の核心は「学問の自由」や「学術会議の組織問題」ではなく、安倍=菅内閣がどうしても「大学の軍事研究妨害は許せない」と決意していることだ。
矢沢国光(やざわくにてる):ちきゅう座会員
ちきゅう座から転載
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