2020年10月11日16時54分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202010111654380
政治
【特報】岡田正則さんが菅首相の「105人のリストを見ていない」発言に批判コメント! 杉原浩司(すぎはらこうじ):軍学共同反対連絡会/武器取引反対ネットワーク[NAJAT]
菅首相によって日本学術会議会員の任命を拒否された一人である岡田正則さん(早稲田大学教授)によるコメントを、ご本人の了解を得て公開します。
菅首相による任命拒否が、何の道理も論理もない違法なものであることが明らかにされていると思います。どんどん広めてください。メディア、政党関係者などの皆さんには、ぜひ岡田さんの意見を汲み取り、活用していただきたいと思います。ご本人にもご取材ください。
<関連>
6人除外前の名簿「見ていない」 菅首相インタビュー(10月9日、朝日)
https://www.asahi.com/articles/ASNB96HSRNB9ULFA01Y.html
<以下、転載>
昨日、学術会議が推薦した105人のリストを首相自身が見ていないということが、首相発言で明らかになりました。その意味は、菅首相の「任命行為の違法性」がますます明確になった、ということです。総理大臣が推薦段階の105人の名簿を見ることなく任命行為を行った、ということであれば、法的には当然、次のようなことになります。
(1)「推薦段階の105人の名簿については「見ていない」」、「自身が決裁する直前に会員候補のリストを見た段階で99人だった」ということは、日本学術会議からの推薦リストに基づかずに任命した、ということです。これは、明らかに、日本学術会議法7条2項「会員は、第17条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」という規定に反する行為です。
(2)6人の名前を見ることなく決裁した、ということは、学術会議からの6人の推薦が内閣総理大臣に到達していなかった、ということですから、改めて6人について「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する」という行為を、内閣総理大臣は行わなければなりません。任命権者に推薦が到達していないのですから、任命拒否はありえないし、なしえないことです。
(3)任命権を有する内閣総理大臣に推薦リストが到達する前に何者かがリスト上の名前を105人から99人に削除した、ということであれば、総理大臣の任命権に対する重大な侵害であり、日本学術会議の選考権に対する重大な侵害です。リストを改ざんした者は、虚偽公文書作成罪(刑法156条)の犯罪人です。
(4)推薦のあった6人を選ぶことなく、放置して「今回の任命について、変更することは考えていない」という態度をとることは、憲法15条に違反します。なぜなら、国民固有の権利である「公務員を選定する行為」を内閣総理大臣は放棄できないところ、その職務を行わないことは、憲法と法律によって命じられた職務上の義務に違反するからです。
このようなあからさまな首相の違法行為と職務怠慢は、即座に是正されなければなりません。
10月10日(土) 岡田正則(早稲田大学)
杉原浩司(すぎはらこうじ):軍学共同反対連絡会/武器取引反対ネットワーク[NAJAT]
ちきゅう座から転載
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。