2020年11月01日19時41分掲載
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欧州
フランスで始まった2回目の自宅閉じこもり令 書店は開けるべきだとパリ市長のアンヌ・イダルゴ氏
欧州を新型コロナウイルスの第二派が襲い、マクロン大統領は集中治療室を確保するために3月に続いて、二回目の自宅閉じこもりの命令を出しました。期間は10月30日から12月1日までのほぼ1か月。小中学校などは通学が認められるなど、前回よりも多少、規制が緩くなってはいますが、しかし、閉鎖を求められた飲食店などは経営が苦しくなっています。観光産業もダメージです。
フランスのニュースを見ていると、前回と今回の違いがいろいろ書かれていて興味深いものがあります。たとえば、北部のベルギーとの国境に近い都市、リールでは閉じこもり直前にポルノショップの売り上げが倍増したそうです。春よりも大きな駆け込みがあった模様。性具やDVD、コンドームなどを買っていく客で、今回は1か月を自宅で過ごす意気込みが感じられます。
一番印象深かったのはパリのアンヌ・イダルゴ市長が書店は閉めなくていいようにすると発言していることです。自宅への閉じこもりを命じられていても食品の買い物とか、医療、学業、あるいは必要な仕事の場合は外出が許されます。イダルゴさんは文化も生活に欠かせないと言っているのです。とくに、自宅に閉じこもってしまうと精神的にも孤立してしまうことになり、市民の健康にもよくないことです。イダルゴ市長は同じ考えの他の自治体とも連合して、書店を開けるための手続きを進めているようです。そして、またフランスのBFMTVの報道によると、とくに近所の書店はだいたい小さな書店が多く、そうした店は大手のネット販売業者などにただでさえ、厳しい戦いを強いられており、新型コロナウイルスでさらに書店が減少することを避けたい、という意志も見えます。
前回の日本の自宅閉じこもりの命令の時も、書店と図書館が閉鎖されてしまったことはとても辛いものがありました。家にいることを余儀なくされ、しかも読むものに事欠くのは辛いことです。本は心や頭の栄養源ですから、もし日本でまたこうした措置が必要になったとしても書店が閉めないでよいようになって欲しいと思います。
■パリの文化の危機 家賃の高騰で書店が閉店 芸術家は郊外へ
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■パリの散歩道5 個性的なパリの書店に忍び寄る危機 村上良太
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