2020年11月13日22時53分掲載
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国際
2021年のバイデン大統領と北朝鮮 米朝交渉・まだ何一つ解決されていない
ワシントンポスト紙は「North Korea watches Biden victory with one finger on the missile test trigger」(北朝鮮はミサイル試射のボタンに指をかけてバイデンの勝利を見つめている)というタイトルで、大統領に選ばれたバイデン氏が北朝鮮との関係をどう構築するのか、北朝鮮はどのようにバイデン氏のホワイトハウスと向き合うのか、その不安なムードを伝えています。というのはトランプ政権が北朝鮮の首脳と平和的交渉を4年の間、続けてきたからでした。
トランプ氏が2016年11月に大統領に選出された時、米国の北朝鮮通は就任最初の100日間が決定的であり、その100日間を何もせずに超えてしまったら交渉の余地はなくなるという風に述べていたのが記憶に残っています。実際、トランプ大統領はそのアドバイスに従うかのように100日以内に北朝鮮との交渉を決定したのでした。当時は北朝鮮の核ミサイル技術が進化すれば米本土に核ミサイルが届くことになると言われ、緊張感がありました。そうした状況で、少なくともトランプ大統領は緊張緩和につとめたのでした。そして、もちろん、韓国政府も協力を惜しんでいませんでした。
しかし、バイデン氏の場合、大統領選のTV討論会の場でも出たように北朝鮮政府に対しては厳しい言葉を吐いています。
”Biden, after all, called Kim a “thug” during the second presidential debate, and implicitly compared him to Adolf Hitler. Last November, after similar comments from the former vice president, North Korea’s state media called Biden “a rabid dog” who should be beaten to death.”(ワシントンポスト紙)
「アメリカファースト」を掲げ、国際社会に貢献するよりも、米国の国益を重視すると言って2016年に当選したトランプ大統領と比べ、バイデン氏は従来型の世界の警察官への復帰を想起させます。実際、選挙戦中もそういう風に語ってきました。ですから、バイデン大統領の就任から、やはり最初の100日間が重要なのではないでしょうか。そして、間違いなく日本国は安保法制のもとで、その変動に巻き込まれることになるのです。戦争になれば世界一悲惨な地域が再現されるはずです。どのように東アジアで平和を築くのか、中国やロシアとの関係も含めて、新しい時代が始まることになります。
※ワシントンポスト紙「North Korea watches Biden victory with one finger on the missile test trigger」
https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/northkorea-us-election-biden/2020/11/09/30f79150-19fe-11eb-8bda-814ca56e138b_story.html
■第二次朝鮮戦争の可能性 平和条約交渉か、戦争か
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■トランプ大統領「適切な状況が整った場合に金正恩氏と会えれば私は光栄だ」
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■NYTが米諜報の失敗を指摘 「近来の最大級の誤り」 北朝鮮のミサイル開発の速度を軽視 水爆の完成で新たな練り直し 核保有数もわからず
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