2020年11月16日13時01分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202011161301491

アジア

ミャンマー総選挙、スーチー氏率いるNLDが完全勝利

 11月8日に実施されたミャンマー総選挙(定数664)について、同14日夜、選挙管理委員会による最終結果が公表された。アウンサンスーチー国家顧問兼外相率いる与党・国民民主連盟(NLD)は、改選476議席の8割を占める396議席を獲得して圧勝した。NLDは2015年の前回総選挙でも全体の約8割となる390議席を獲得しており、前回同様、国軍寄りの連邦団結発展党(USDP)を大きく突き放しての完全勝利となった。 
 
 NLDは前回総選挙で、国軍の政治関与を認める内容の憲法改正や少数民族との和解などを公約として掲げ、政権運営を行ってきた。しかし、この5年間で目に見える成果を上げることができず、同党に対する批判の声も相次いでいたことから、NLDの議席減は必至と見られていた。しかし、NLDに対する初の審判となった今回の総選挙で、同党が前回の得票数を超える地滑り的勝利を収めたことから、改めて国民のNLDに対する期待値の高さが明らかとなった。 
 
 都内在住でNLDを支持するミャンマー人女性のA氏は今回の選挙結果について、「前回同様、NLDが圧勝して率直に嬉しい」と喜びを示し、「スーチー氏のコロナ対応を全国民が評価したのだろう」と指摘した。また、今後の政権運営について、「2008年に当時の軍事政権が制定した憲法の改正が最優先事項になるだろう」と語った。 
 
 ただ、NLDが選挙公約として掲げる憲法改正については、国軍の協力なしには実現不可能で、未だ落とし所は見つかっていない状況だ。また、ミャンマー国内では8月頃から新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増加しており、今後の政権運営も決して一筋縄ではいかない。改めてNLD政権を率いるスーチー氏の政治的手腕が問われる。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。