2021年03月23日18時46分掲載
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外国人労働者
「マーチ・イン・マーチ2021」 みんなここにいる。
21日、毎年3月に移住労働者の権利獲得を目指して行われている「マーチ・イン・マーチ」がオンラインで開催された。今年のテーマは「All under the same sky. Minna koko ni iru.みんなここにいる」。テーマが示すとおり、日本全国の参加者の声を繋げ、それぞれの状況と思いが共有された。主催は、マーチインマーチ2021実行委員会。
司会を務めたのは全国一般東京南部のオリバー・フィリップ(Oliver Philippe)氏。同氏は今回のイベントについて、「メディアに紹介される人だけでなく、コロナ禍において様々な外国人が日本で生活している。今日は、そのダイバーシティ(多様性)を紹介したい」と、その趣旨を説明した。また主催団体の一つである、けんり春闘実行委員会の中岡基明氏は「昨年から続くコロナの影響でイベントなどの実施が難しい中、初めてオンラインという形で開催できることを嬉しく思う」と、喜びの思いを語った。
全国各地の関係者からは、長期化するコロナ禍に苦しむ外国人労働者の声が寄せられた。下町ユニオンの加瀬純二氏は、「コロナ禍で飲食店のスタッフが休業扱いとされる例が多く発生している。外国人労働者は飲食店のアルバイトとして働くことが多いが、コロナが原因で休業しても手当が支払われるのは正社員のみで、アルバイトに支給されることはない。企業が支援金をもらっているのに、それが労働者に行き渡らない今の制度はおかしい」と、現制度の在り方に疑問を投げかけた。
さらに、広島スクラムユニオンの土屋信三氏は、「ベトナム人技能実習生が、コロナ禍で航空機が飛ばないがために、実習終了後も帰国することができずにいる。このような元実習生は生活することも難しいため、我々で支援をしながら活動している」と、技能実習生を取り巻く過酷な現状について語った。
コロナ禍は、日本で生活する外国人労働者に悲痛な影を落とす。実際コロナが原因の労働相談が多数寄せられているようで、非正規外国人労働者が多く所属するゼネラルユニオンのデニス氏は、「この1年はコロナ関係で非常に忙しく、数え直してみると500件以上の相談を受けていた」と、多忙な1年を振り返った。
様々な背景を持つ人々により構成される今の日本社会において、外国にルーツを持つ人々との共生は欠くことができない。移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)のチェ・スーヨン氏は、日本の現状について、「まぎれもなく移民社会といえる」と改めて強調した。さらにチェ氏は、2月19日に閣議決定された改定入管法案について「この法案には、出身国に帰れない人たちに対する刑事罰の創設や複数回難民申請を行っている者を送還可能にする制度など、様々な改悪案が盛り込まれている。必要な時だけ利用し、いらなくなれば排除して追い出そうとする日本政府の姿勢に対して、私たちは徹底してノーを突き付ける必要がある」と抗議の声を上げた。
入管法については、かねてより野党議員や市民団体から「制度が恣意的に運用されている」との指摘を受けており、今回の改定案についても「政府は送還ありきで議論している」と反発の声が上がっている。このような状況を踏まえ、移住連では現在、入管法の改定に反対するべく、キャンペーンを展開して署名活動を進めている。
https://migrants.jp/news/office/20210219_1.html
新型コロナウイルスが市中で広がり始めたのが昨年初め。これにより、昨年3月のマーチ・イン・マーチは無期延期となった。未だコロナの感染拡大は収まらないが、今年はオンラインによる開催に至ることができ、参加者からは「繋がることの大切さを実感した」という声が多く聞かれた。政府は排除を進めるのではなく、繋がりを大切にする市民社会の声に耳を傾けて頂きたい。
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