2021年03月31日09時45分掲載  無料記事
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欧州

イタリア音楽界の新星―マネスキン〜チャオ!イタリア通信

 今年はコロナ禍で家にいるせいか、夫が珍しくサンレモ音楽祭を見ていました。3月2日から6日まで開催されました。日本で言ったら、年末の歌謡大賞のようなものでしょうか。賞レースになっており、26の歌手及びグループが出場して優勝者、2位、3位を決めるようになっています。 
 
 そこで優勝したのが、サンレモ音楽祭に初出場した「マネスキン」というグループ。2017年にメジャーデビューした、まだまだ駆け出しのグループですが、一度見たり聞いたりすると忘れられない曲といいルックスといい、インパクト十分な彼らなのです。グループはボーカルとギター、ベースとドラムの4名で構成されており、平均年齢は21歳か22歳だと思うのですが、とってもとっても若いわりには、歌や曲を聞いていると、「何だ、このうまさは!」と音楽素人の私でも引き込まれてしまうのです。 
 
 イタリアでは「Xファクター」という音楽オーディション番組がすごく人気があり、そこで優勝したり、2位、3位に入るとメジャーデビューできるチャンスをつかむことができます。「マネスキン」は2017年のXファクターに出場しており、その時から断然目立っていました。余談ですが、このXファクターには、16歳や17歳ぐらいの若い子たちもたくさん出場しています。親同伴でオーディションを受ける子も多く、子どもより親が必死になっている様子も見たりします。話を戻すと、「マネスキン」がXファクターに出場した時は、ボーカルのダミアーノがまだ18歳ぐらいで、ギター担当の子は16歳ぐらいだったような気がします。 
 
 経歴を見ると、ベース担当は紅一点のヴィクトリアですが、この子は8歳からギターを弾き始め、ベースは11歳ごろから弾いてるそうです。高校でギター担当のトーマスと知り合い、そこにダミアーノが加わって「マネスキン」の原型が出来上がりました。その後、ドラム担当のイーサンが加わったということです。トーマスも12歳ですでに音楽グループの一人だったそうで、Xファクターに出場した時点で、若いと言ってもギターやドラムなどの音楽歴はすでに5,6年はあったということ。 
 
 音楽のジャンルとしてはロックで、ボーカルのダミアーノのだみ声がかった声がぴったりなんですよね。ロックのリズムに乗ると、迫力満点で。聞いていると、70年代のロックを聞いているような、ちょっと懐かしい気分にもなってきます。それと、ダミアーノはいつも化粧しているので、ちょっとデヴィッド・ボウイみたいな、あの時代に憧れてるのかな・・・なんて思わせもしたり。化粧して似合う人とそうでない人がいますが、ダミアーノはアイシャドウばっちりで彼のルックスも魅力の一つです。 
 
 サンレモ音楽祭で優勝した「Zitti e Buoni」(「黙っていい子」とでも訳しましょうか)は、若者たちを理解しない、また若者たちを評価しない大人世代への批判をテーマにしてると言われています。 
 
 サンレモの後に、国営放送ライの有名なインタビュー番組に出ていましたが、4人ともいつもより化粧が濃くなく、服もまっ白のスーツでいつもとは違って優等生っぽくなっていたのはちょっと残念でした。ショービジネスに絡めとられずに、本来の「ロック」精神で音楽を貫いてほしいと思います。 
 
マネスキンの優勝に関する記事↓ 
https://italianity.jp/culture/music/sanremo2021_winner_spotify_playlist 


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