2021年05月14日17時00分掲載
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アジア
5月13日 ミャンマーでの通信遮断をやめて!〜KDDI・住友商事アクション〜
ミャンマーで携帯電話のデータ通信が常時遮断されてから約60日、ワイヤレス・ブロードバンドサービスが常時遮断されてから40日以上が経過。
固定回線によるインター ネット接続が都市部のごく一部に限られているミャンマーで、現在も大多数の市民がインターネットに接続できない状況が続いている。
2月1日、ミャンマー国軍による軍事クーデターが発生し、今も事態は改善することなく、ミャンマー市民らはインターネットを介して国内外とのつながりを深めながら抗議の声を上げている。通信遮断は、ミャンマー市民の表現の自由や知る権利といった基本的人権を侵害する非人道的行為に当たるだろう。
日本の企業であるKDDIと住友商事は、2014年から国営のミャンマー郵電公社(MPT)と共同で通信事業を行っている。両社はミャンマー国軍のクーデター以降、多数の死傷者を出している国軍の暴力を深く憂慮していること、また、自身のもつ人権方針に沿ってビジネスを行っていることを表明した。
しかし、自らの通信事業に関しては、国軍による通信遮断命令にこれまで抗議の意思を示すことな く応じている状況だ。また、共同事業を行っているMPTは国営であり、事実上、ミャンマー国軍の 統治下にあると考えられることから、事業を継続することで、国軍に手数料支払いなどの収益が流れる可能性も指摘されている。
こうした中、5月13日、KDDIと住友商事が今後、民主主義のために闘っているミャンマー市民の声に応え、正常な通信の回復に向けた具体的な行動をとること、また、「ミャンマー国軍の資金源を着実に断つ」ための具体的な措置をとり、その対応について公に示すことを求めるアクションが両本社前で行われた。なお、同アクションは、メコン・ウォッチ、国際環境 NGO FoE Japan、 武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、アーユス仏教国際協力ネットワークが呼びかけたもの。
アクションの主催者であるメコン・ウォッチ事務局長の木口由香氏は、「重要な通信手段であるインターネットの遮断に、欧州企業は懸念を表面している。国営公社と共同で通信事業を行っているKDDIは、国軍による遮断命令に唯々諾々と従っており、国際人権基準を満たしていない。知る権利や表現の自由の侵害に加担しないで」と訴えた。
また、アクションに参加した在日ビルマ市民労働組合FWUBC会長のミンスイ氏は、「ミャンマーの犠牲者をこれ以上出さないよう、皆さんの力をどこにどう出せばいいか考えて下さい。国際社会に #KDDI の名前を潰さないで。私たちはお願いしか出来ない。人殺しを自分たちのパワーで止められるか、考え行動を」と述べた。
なお、同アクションを企画した呼びかけ団体は、5月21日、午後6時30分から、外務省前で「ストップODA!ダイ・イン @ 外務省前」を行うとのこと。
※参加者の発言等は、「杉原こうじTwitter」から転載。
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