2021年07月29日11時48分掲載  無料記事
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アジア

国軍弾圧とコロナにあえぐミャンマーからの手紙

 ミャンマーで経済活動に尽力されている方から、ベリタにお手紙をいただきました。ミャンマー在住の多くの邦人、そしてミャンマーの普通の市民の思いを込めてのお便りでした。日本ミャンマー協会と軍事クーデターを起こしたミャンマー国軍との関係を報じたベリタ掲載記事に共感いただいたお手紙で、編集同人一同、感動しながら読ませていただきました。ミャンマーで暮らし、ミャンマーの人びととともに仕事をされている多くの邦人の思いを、ベリタ読者にお伝えしたく、ご本人のご了解を得て掲載いたします。(ベリタ編集長大野和興) 
 
 
 掲載にあたっては、ご本人とまわりの人たちの安全を考えO・H生からの手紙、とさせていただきます。1970年代、軍事政権下の韓国からT・K生という署名で、軍事独裁化の市民に対する抑圧、そのもとでの市民の暮らしと想いを綴った「韓国からの通信」が雑誌『世界』に連載され、日韓をつなぐ市民に連帯を作り上げた故事にささやかでもつながりたいという、編集部の思いも込めています。 
 
 
◆ミャンマーの良き人たちに恵まれて O・H生 
 
私はミャンマーにて小規模な会社を営んでおり、MYANMAR JAPON に7月7日付けで掲載された「日本ミャンマー協会の渡邊秀央会長が貴誌に記事の撤回と謝罪を要求」の記事を通じて貴誌を拝読しました。 
 
貴誌編集者と永井 浩記者の誠に卓越した取材と反論に、当地で悶々とした日々を堪えている我が身にとりましても、胸のつかえが取れる想いで感謝をお伝えしたくメールをさせて頂きました。 
 
私も、コロナ禍の中で悪戦苦闘しながらなんとかミャンマーの従業員の仕事を確保してきたところに、本当に突然のクーデターで従業員の動揺と安全の確保の為、必死にやってきました。 
 
幸いに、全従業員の気持ちはCDMに参加していても仕事を休む人は誰一人いませんでした。仕事の合間に皆に呼びかけ、日本大使館や国連事務所等に早期に調整役を果たして欲しいとの想いで、アピールに行きました。ミャンマーの人たちの日本への期待を考えると、日本政府には是非一刻も早く動いていただきたいとの想いでいます。 
 
私は年令も70歳代半ばに達し、この仕事を人生最後の仕事と決めておりましたが、ミャンマーの良き人達に恵まれてこの地に骨を埋めても良いと思っていました。このように優しい人々と美しい自然に恵まれたミャンマーを血で汚されるのを決して黙ってみている事は出来ません。 
 
しかし、その裏で、今迄の多くの日本人達の努力でミャンマーの人達から親しまれてきた日本が、私欲にまみれたほんの一部の人達のために、期待を裏切る結果となったことは本当に残念です。 
 
現状、ミャンマーは一部内戦状態とコロナの急激な感染拡大で状況は益々悪化をたどっていますが、貴誌のような”問題の真実を深く抉り取る”周囲の目があれば、きっと明るい未来も開けると望みをつないでおります。 
 
末尾ですが、貴誌及び記者ならびに編集者の皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。 


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