2021年08月05日14時14分掲載
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チョーかハンか やっぱり選挙に行こうよ!! 『パンケーキを毒見する』 笠原眞弓
ドキドキして見始めたのに、なにこれ、ネットニュースと同じ?それを解説?と思っているうちに、ドンドン引き込まれていった。
これ、コメディ?時々挿入されるアニメの面白さと、的確さ。美しいサイコロを振る女性が登場し、完全にスガは、博徒の設定となる。
場面変われば、閻魔大王が抜く舌は、同じ人から何枚も。ついに閻魔さんが根をあげる。
ビックリしたのは、菅の若い頃。結構イケメンで、今と全く人相が違う。二十歳過ぎたら、自分の顔に責任を持ってと、親に言われたけれど、彼の場合、歳を経るほどに×××顔に。ウーンと、唸ってしまった。
安倍の「こんな人」発言も出てくるが、なんといって小泉元首相の「小選挙区制にしたら…」と今を予言する発言に当時を思い出し、小選挙区制をやめたいと切に思う。
そして、トップに立てなかった心理を利用したスガ人事を語る。警察官僚だった杉田和博官房副長官は、警察を退職するとき、No.2で終わった。その悔しさを政権への忠誠心にすり替えていることを暴く。
なぜ「しんぶん赤旗」が、あれだけのすっぱ抜き記事が出せるのか?戦中の「大本営発表」と同じような状況になりつつある今のメディアへの警鐘も、忘れていない。
積み重ねてきたエピソードにトドメを刺す最後のパラグラフは、政治に関わってもなにも変わらないと白けている若者たちの心を揺さぶるのではないかと思う。
この映画をオリンピック中、コロナ無策で命の危険を感じている今、しかも選挙前にぶつけて来たことの意味を考え、選挙に行かない人たちに、ぜひ見ていただきたいと思う。
上映妨害も心配だが、プロデューサーの河村光庸は、『新聞記者』のプロデューサーでもある。その経験を生かして、メディアの自由度世界67位の日本の中にあっても、多くの映画館で見られるようになると信じたい。すでに全国の映画館での上映が決まりつつある。
監督:内山雄人
上映時間:104分
上映館:新宿ピカデリー他全国で上映中
写真copyright『パンケーキを毒見する』製作委員会
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