2021年09月02日18時40分掲載
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反戦・平和
「土地規制法を廃止に!」市民団体がオンラインシンポジウムを開催
6月16日、菅政権が、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」(土地規制法)を強行採決してから約2ヶ月半が経過。
同法は、首相が、米軍や自衛隊の基地、原発等の「重要施設」の周囲約1キロや「国境離島等」を「注視区域」または「特別注視区域」に指定して土地・建物の利用状況を調査し、「機能を阻害する行為」に対し、行為の中止または「その他の必要な措置」を勧告・命令することなどを定めている。また、こうした命令等に従わない場合は懲役や罰金が課される可能性もある。
同法についてネット上では、来年の施行後に「私権が制限される」、「人権侵害に繋がる」といった声も出ている。
こうした中、市民団体「土地規制法廃止アクション事務局」は9月1日、オンラインシンポジウム「どうなる?土地規制法 基地・原発周辺だけじゃない」を開催。座談会には、海渡雄一氏(弁護士・秘密保護法対策弁護団・共謀罪対策弁護団)や中野晃一氏(政治学者)らが参加。
海渡氏は、土地規制法に立法事実がないことや法案の概念や定義が曖昧であることを指摘し、「今後、政府の裁量次第で、金融・航空・鉄道・ガスなどの施設も調査対象になる可能性がある。我々としてはまず広範な市民に法の危険性を知らせ、野党の共通政策に土地規制法を盛り込み、選挙の争点にしていく」と訴えた。
また、中野氏は「(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める)市民連合では、総選挙に向けて野党5党の合意を作ることを目指しているが、土地規制法では国民民主党が賛成に回ったため、市民連合による要望書の案に『土地規制法』を盛り込むことが難しい」としながらも「地元の政党や候補者で対話が進んでいるところがある。地域の中で先行してやっていきたい」と意気込んだ。
このほか、沖縄県で活動する仲松典子氏は、自身が所属する「土地規制法の廃止を求める沖縄県民有志の会」の取組を紹介。有志の会では、土地規制法の中身を市民や議員に理解してもらうため、漫画「土地規制法ってなに?なにがこわいの?」を制作し、ホームページ上で公開中とのこと。https://nototikiseihouokin.wixsite.com/my-site
なお、今後のスケジュールについて、政府が8月25日に共産党の赤嶺政賢議員に提示した資料によると、土地規制法は来年6月1日に一部施行となり、土地等利用状況審議会の設置や基本方針の策定などが行われ、同年9月1日に全面施行となる予定だ。
〈9/1 どうなる?土地規制法 基地・原発周辺だけじゃない 主催: 土地規制法廃止アクション事務局〉
https://youtu.be/4U7dJD7osn8
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