2021年10月02日10時38分掲載  無料記事
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欧州

義務化となるコロナワクチン接種〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ

 イタリアでは、10月15日から仕事場でワクチンパスポート所持の義務が政令により施行されます。日本では緊急事態宣言が解除されているようですが、イタリアでは今年いっぱいは緊急事態が続きます。この政令により、緊急事態の間は職場でワクチンパスポートを所持し、求めに応じて提示しなければ、ワクチンパスポートを所持するまでは給与が停止されることになります。この政令が決まるまでは、ワクチンパスポートを持ってない者への扱い方について政党と労働組合での話し合いが重ねられました。 
 
 この政令では、すべての職場について、その場で働く者だけでなく、その場で研修をする者やボランティア、外部で契約して働く者にも適用されます。現在イタリアはコロナワクチンの接種者(2回目完了)が約80%近くまで達しています。数か月前までは、50代、40代のワクチン接種率が低いというニュースが流れていましたが、この政令によりワクチン・キャンペーンをさらに徹底させようという意図があります。ただ、ワクチンパスポートはPCR検査で陰性が出た場合も発行されるので、ワクチンを打ちたくない人は、PCR検査を受け続け、ワクチンパスポートを所持しなければなりません。そのためにPCR検査の価格をいくらにするか、ワクチンパスポートを持つためにどこで検査が受けれるかということも決められました。 
 
 ちなみに、この場合PCR検査は18歳以上は15ユーロ(約2千円)で受けられます。今年7月、日本に一時帰国されるためにPCR検査を受けた同僚は75ユーロ(約9千円)を支払ったと言っていました。ですので、これと比べるとかなり安くなります。また、最近はスーパーでも自分で検査できるキットが売られています。ただ、自己検査ではワクチンパスポートは発行されません。 
 
 9月から学校も始まり、職場も通常に戻るため、こうした措置が取られましたが、ワクチンに反対する人はいます。私の働く日本語教室でもワクチンを受けてない生徒の親が陽性になりました。そして、9月の最初の授業の日、同じクラスの子の親に感染してしまいました。その方は、一回目のワクチン接種を受けて4日目だったそうです。ワクチンがいくら効果があると言われていても、ワクチン反対派の人たちがいる限り、気を抜けないのが現状です。 


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