2021年10月23日17時01分掲載  無料記事
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#選挙は人権で考える アムネスティ・インターナショナル日本が人権啓発キャンペーンを開始

 国際人権NGOであるアムネスティ・インターナショナル日本は、10月22日に東京都内で記者会見を行い、選挙の機会を活用した人権に関するハッシュタグキャンペーン「#選挙は人権で考える」を開始すると発表した。このキャンペーンは、次期衆議院議員選挙の投開票を10月31日に控える中、SNS上での人権に関する議論を促進し、これにより有権者と立候補予定者の人権意識を向上させることを目的とするもので、キャンペーン開始に伴い開設された特設サイトでは、衆院選への立候補予定者に対して行った人権に関するアンケート調査の結果が公表されている。 
https://amnesty-jpn.org/candidate/ 
 
 今回実施された調査では、入管制度、LGBTI、気候変動、死刑制度などの課題について郵送やメールなどでアンケートを募り、これに339の立候補予定者が回答を寄せている。例えば、「日本の難民の受け入れ状況は改善すべきだ」という設問に対しては、全体的に「そう思う」「ややそう思う」などの改善を求める回答が多く見られるものの、自民党候補者の4割近くは「どちらとも言えない」という曖昧な回答をしている。また、「日本でも同性婚を認めるべきだ」という設問に対しては、全体的に「そう思う」「ややそう思う」などの認めるべきであるとする回答が多い中、自民党の候補者の半数近くは「ややそう思わない」「そう思わない」と否定的な回答をしているという。 
 
 ハッシュタグキャンペーンの実施にあたり、アムネスティ・インターナショナル日本の樋口利紀氏は、「2021年の通常国会では、LGBT法案や入管法改正案などを通じて、人権課題が大きく議論された。このタイミングで選挙が行われることで、これまでの議論がリセットされてしまうことは何としても避けたい」と思いを語った。樋口氏は、選挙の争点の一つとして人権課題が加わるとともに、このような意識を持つ候補者に有権者が積極的に投票するような社会に変えていくように呼び掛けており、ツイッターの特設アカウント上では「政治家に取り組んでほしい人権課題」などについて、若者を初めとした幅広い層への投稿を求めている。 
 
 また、若者の投票率向上を目指して今回のキャンペーンに携わる「NO YOUTH NO JAPAN」の石井佑果氏は、「若者は政治に関心がないといわれるが、これは私たちだけの問題ではない」と話す。石井氏は、若者が声を上げても年配の世代の声が優先されてしまう現状に触れ、若者の声を政治の場に届けるべく、「政治家は、若者の声を汲み取った政策を作っていくべき」と主張した。 
 
 衆院選の期日前投票が始まる中、アムネスティ・インターナショナル日本では今後、若者の投票率向上と人権課題の争点化に向け、衆院選投開票日前日である10月30日の午後8時から、ツイッター上で「#選挙は人権で考える」というハッシュタグを付けた投稿を一斉に行うように呼び掛けている。 
 
詳細については、下記特設サイト参照。 
https://amnesty-jpn.org/ 


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