2021年11月07日21時19分掲載
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農と食
≪ 農薬 ≫ TBS報道特集 ネオニコがヒトへの健康に影響の可能性
TBSは11月6日、報道特集で「ネオニコ系農薬・ヒトへの影響は・・・」と題して、研究者を中心に取材し、ネオニコのヒトの健康影響をテーマにした番組を放映した。この番組は、11月14日まで、無料で視聴できる。(有機農業ニュースクリップ)
・TBS, 2021-11-6
報道特集 ネオニコ系農薬・ヒトへの影響は・・・
https://tver.jp/corner/f0088281
番組の内容(概略)
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山室真澄さん(東大教授)
1993年のイミダクロプリドの使用開始と宍道湖のワカサギ・ウナギの激減は関連している。
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大浜祥治さん(トンボ研究家)
1993年を境に、宍道湖周辺でウチワヤンマがいなくなった。90年代にトンボが全国的にいなくなった原因の一つにはネオニコがあるとみている。
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中国地方の米農家
8倍に希釈した農薬を、所有するラジコンで散布。斑点米カメムシやウンカの防除には欠かせない。
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山田敏郎さん(金沢大学名誉教授)
2013年、低濃度のネオニコでもミツバチが巣に帰らなくなり、群れが小さくなり、やがて群れ自体がなくなることが明らかになった。
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星信彦さん(神戸大学教授)
無毒性量のネオニコを与えたマウスにもその行動、動作に影響が出ている。無毒性量の影響を誰も調べていなかった。世界初の報告。無毒性量を変えなくてはならない。承認している人たちは、こういう実験をやったことも見たこともないと思う。
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木村−黒田純子さん(脳神経科学情報センター副代表)
農薬は、今も多種類の毒性試験をやっているが、今の段階では不十分で、ヒトへの毒性は調べていない、調べられない。そのため、あとから毒性が分かることがある。国の規制はもっと厳しくあるべきだ。
子どものラットの脳細胞にネオニコを注入して調べた2012年の実験では、ネオニコでも脳細胞が興奮。ヒトの脳にも影響を及ぼすのではないか。ネオニコは子どもの脳にも影響を与える可能性がある、と警告。2012年の論文は、EUのネオニコ規制に一定の影響を与え、規制を強化した、とEU委員会の担当者も認めた。
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平久美子さん(東京女子医大・ネオニコチノイド研究会代表)
ニコチンはすぐに分解、排泄されるが、ネオニコはそうではない。徐々に溜まっていってしまう。微量だと思っていたのが、そこそこの濃度になることが十分に起こりうる。
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農水省
科学的に安全が確保されている農薬だけを登録してきた。使用方法を誤らなければ問題はない。
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農薬工業会
神経系の毒性試験で詳細な臨床観察を行っている。行動異常や影響があれば、極めて精度の高い確率で検出される。国際的なガイドラインに基づきヒトへの安全性を確認している。
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JA佐渡
トキの放鳥(2008年)を契機に、組合員からのネオニコ不使用の提言で、2011年からJAとして「規制」を始めた。翌年、トキの自然繁殖が成功した。
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番組の冒頭、1993年に宍道湖のワカサギやウナギが激減したのは、前年にネオニコチノイド系農薬として初めて登録されたイミダクロプリドが使われ始めたことが原因であるとした研究結果が紹介されている。その研究グループの山室真澄さん(東大教授)は先ごろ、その研究を一般の人にも分かるように解説した『魚はなぜ減った? 見えない真犯人を追う』(つり人社)を刊行した。この本は、月刊『つり人』に連載したものを1冊にまとめたものだが、いろいろな要因がある中で原因はイミダクロプリドしかないことを、平易な言葉づかいで解き明かしている。
『魚はなぜ減った? 見えない真犯人を追う』
山室真澄著
つり人社刊 2021.11発行
価格:\1,000円+税 四六判並製 / 128ページ
ISBN:9784864473835
https://tsuribito.co.jp/cover/archive/detail?id=5095&kind=1
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