2022年01月31日11時37分掲載
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欧州
盛り上がりに欠けた大統領選挙〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ
前回の記事(昨年12月)で、来年は大統領選挙があると書きましたが、さっそく1月24日に国会内での投票が始まり、土曜日8回目の投票で大統領が決まりました。結果は、前大統領セルジョ・マッタレッラ氏が圧倒的な得票数で再選しました。
年末から元首相のベルルスコーニ氏が中道右派グループから推薦されるという話や、現首相のマリオ・ドラギ氏が推薦されるという話が出たり(その場合、今の内閣はどうなるのかも含め)、初の女性大統領が選ばれるかもしれないという話が出たりしましたが、結局はマッタレッラ氏が大統領に選ばれました。要は、彼の他に今大統領に相応しい人がいないということで、私の夫は「なんて悲惨な状況・・・・」と嘆いていました。
さすがに、ベルルスコーニ氏が推薦されるかもしれないという話が出た時は、思わず苦笑いをしてしまいました。ベルルスコーニ氏がしてきたことにNOという意味で新しい政党「五つ星運動」が出てきて、それでまたベルルスコーニ氏が返ってくるのはあり得ない、との思いです。さらに、ベルルスコーニ氏の経歴を見ると、汚職や買収疑惑、不正経理疑惑、買春スキャンダルなどなど華やかというか、まさに「金と女」で彩られているのですが、こういう人に国にとって公正な判断をしなければいけない大統領という職を任せられるのか・・・。ということで、あまりにも反発が強かったので、さすがに厚顔無恥のベルルスコーニ氏も辞退するとわざわざ表明しました。
大統領選挙は国会議員の投票により多数決で決まりますが、1月24日月曜日から始まり、なかなか多数決が出ず、ニュース番組では記者たちが国会の周りに集まり、出てくる議員に取材をしている様子を報道していました。朝から夕飯の時間まで中継で報道されており、さすがに木曜金曜辺りは、取材される議員たちもなかなか決まらないのでイライラし始めていました。「昼食にパニーノ(サンドイッチのようなもの)しか食べてない」なんて文句を言っている議員もいて、夫と「仕事していたら、お昼にパニーノだけなんて当たり前だよ」と言い合ってました。
大統領は国会議員の中で話し合って決められるので、どういう話し合いが行われたか分かりませんが、夫が言うには「マッタレッラは6年の任期を4年ぐらいやって辞退して、その後ドラギ(現首相)が大統領になるんじゃないか」との予測。今、ドラギが首相を辞めたら、内閣が成り立たなくなるための苦肉の策でしょうか。
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