2022年02月18日16時31分掲載
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難民
【入管問題】ウィシュマさん事件からもうすぐ1年 市民団体が院内集会を開催
スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが名古屋入管で亡くなってから、もうすぐ1年。ウィシュマさんの1周忌を控える2月16日、入管行政の改善を訴えかける学生・市民の団体が参議院会館内で集会を開催した。主催はウィシュマさん事件の真相解明を求めて活動に取り組んでいる入管闘争市民連合(代表:指宿昭一弁護士)。入管問題に取り組む団体が連携し、昨年12月に発足したネットワークで、発足して2か月ほどではあるが、すでに400名を超える個人と20を超える団体が加入している。
集会では、代表を務める指宿昭一弁護士が、入管法に関して「今通常国会において、政府与党は入管法改悪法案の提出を見送る方針であると報道されているが、法案は決してなくなったわけではない」と警鐘を鳴らした。入管法『改正』案は、昨年5月に世論の反発を受ける形で当時の菅政権下で事実上の廃案となっているが、これについて指宿氏は「ウィシュマさんの事件に関して、多くの学生や市民が声を上げたことが大きい」と語る。さらに、ウィシュマさん収容時の状況を記録したビデオ映像について、その一部が開示された際の状況に触れながら、「そのあまりにひどい内容に、野党はもちろん、与党の議員からも疑問の声が上がっていた」と、人権意識の希薄な入管行政の在り方を問題視した。
オンラインで集会に参加したウィシュマさんの妹であるポールニマさん。ビデオ映像を見ていないと国会で答弁した岸田文雄首相の発言に触れ、「ビデオの全体を見てほしい」と訴えかけた。さらに、要望している古川法務大臣との面会が実現していない現状について「古川大臣と早く会いたい。そして、司法解剖の結果に関して詳細を聞きたい」と面会の早期実現を求めた。加えて、死後1年が経過して死因がわからない現状を「スリランカではありえない」と指摘し、「何か裏があると思っている」と政府の姿勢を疑問視した。
ウィシュマさんが亡くなった名古屋で被収容者の支援活動に取り組むSTARTの千種朋恵さんは、名古屋入管の現状について、「ほとんど変わっておらず、それどころか、ウィシュマさんが亡くなる以前より閉鎖的になっている」と報告をした。入管庁は昨年11月に緊急事態宣言が解除された後、仮放免制度の運用を厳格化しており、この指示を受ける形で、名古屋入管でも昨年末から仮放免の不許可が相次いでいるという。この状況に千種さんは、「名古屋入管では、再発防止どころか、第二・第三のウィシュマさんを生み出しかねない状態が続いている」とし、日本社会全体で入管行政を監視、抑制していく必要性を訴えかけた。
市民連合は今後、在留特別許可基準の大幅緩和や国際基準に基づいた難民の受け入れを求めていく方針で、ウィシュマさんの命日にあたる3月6日には全国(仙台、高崎、東京、名古屋、大阪、京都、高知)で一斉にデモやスタンディングアクションの実施を企画している。指宿氏は、「我々が気を緩めると入管法を国会に出される可能性があるため、まずは出させないための闘いが重要である」と述べ、継続的に入管問題に取り組む重要性を訴えており、市民連合としても今後各種アクションを実施予定であるという。
(入管闘争市民連合ホームページ)https://www.ntsiminrengo.org
(入管闘争市民連合Twitterアカウント)https://twitter.com/nyukan_alliance?s=11
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