2022年03月08日18時58分掲載  無料記事
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難民

【入管問題】ウィシュマさん事件から1年 全国で一斉に追悼アクションを実施 東京では300人以上がデモ

 スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが名古屋入管で亡くなってから1年となる3月6日、全国で一斉に追悼アクションが行われた。主催は、ウィシュマさん死亡事件の真相解明を求める「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」(入管闘争市民連合・代表:指宿昭一弁護士)。東京のデモには300人以上が参加し、「長期収容やめろ」「入管よ動画を編集するな」と書かれたプラカードを掲げながら東京出入国在留管理局の周囲を行進した。 
 
 デモに先立ち、入管の現状を語った「BOND〜外国人労働者・難民と共に歩む会〜」学生メンバーの女性。「ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなってから今日で一年が経つが、全国の収容施設における入管の対応は根本的に何も変わっていない。事件を一切顧みることなく、送還一本槍ともいえる方針を撤回していないことは、ウィシュマさん死亡事件の真相究明や再発防止に逆行している」とウィシュマさん事件後も変わらない入管の姿勢を強く批判した。 
 
 また、デモに参加した日本共産党の山添拓参院議員は「とにかく在留資格のない外国人は収容してしまえという、入管組織の構造的な問題が職員の感情すら変えてしまっている。入管法も難民認定の在り方も抜本的に切り替えていくことが求められる」と、国会の場で入管行政を変えていく必要性を語った。 
 
 ウィシュマさんが亡くなった15時25分には、参加者が一斉に1分間の黙祷を行い、静かに故人を偲んだ。また、デモが始まると、入管施設内に収容されている人々から「ありがとう」「がんばれ」との声が上がり、それに参加者が手を振って応える場面もあった。デモ終了後には、全国一般東京ゼネラルユニオンのルイス・カーレット氏が「入管が一方的に判断して収容することができるという現状は、看過ができない。外国人にも人権があるのは当然のことである」と主張した。 
 
 この日は、東京の他、札幌、仙台、高崎、浜松、福岡、名古屋、大阪、京都、高知の各地で同時にデモやスタンディング・グアクションが行われ、全国で計600人ほどが参加。また、愛知県愛西市の明通寺では一周忌の法要も開かれた。追悼アクションの2日前にあたる3月4日には、ウィシュマさんご遺族が原告となって国賠訴訟も提起されている。東京のデモに参加した男性は「皆、ウィシュマさんの事件を風化させてはならないという強い思いで頑張っている。今入管を変えないといつ変えるのか」と、その胸の内を語った。 


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