2022年05月16日11時26分掲載
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人類の当面する基本問題
(44)大製薬会社の政府、立法府、WHO、研究者への巨額資金提供 ファイザーのコロナワクチン悪影響が公表されないのはなぜか 落合栄一郎
10年ほど前、製薬会社の犯罪行為という問題点のいくつかをこの欄に発表した。その一つは、スワインフルーのワクチン問題、「バイアグラ」なる薬関連についての製薬企業の動きなどを指摘したものである(注1)。
2020年にWHOによる新コロナウイルスによるCovid-19なる病気のパンデミック宣言に端を発した現在の世界レベルの騒動の根本にも、やはり製薬企業問題が深く関与しているようである。それに関して様々なレベルの問題点を詳細に検討したRebecca Strong女史の論が発表されている(注2)。その論点の幾つかを紹介する。なお、この人の祖父は、技術者としてファイザー会社の成長に関わっていたそうである。
現在、ファイザーの年間売り上げは、810億ドル、ジョンソン・ジョンソンJ・J社は、940億ドル程度で、多くの国の富より大きい。ファイザーは2016年の選挙では、97人の上院議員に平均7万5千ドル程度の献金。2020年の選挙では、ジョー・バイデンに6百万ドルほどを。これには法人の人格化という問題も絡んでいる(注3)。
製薬企業群は、政府・立法府を動かし、自分達の作り出した薬に悪影響があったとしても、被害を受けた側からの訴訟を制限するような法律も作った。そのため、不正/不法行為を平気で行う。どうしてか、不正であったとしても、儲けの方が、その犯罪への罰金よりも大きいことが、多いから(注4)。
根本問題の一つは、こうした企業の、薬学/医学などの科学的研究への影響である。New England Journal of Medicineは、ある年(指摘されていない)、新薬に関する論文が73報あったが、そのうち、82%は製薬会社の資金援助を受けていたし、68%は、製薬会社社員が研究者に含まれていた。なお、50%の報文の研究者には、製薬会社から別の件で金を受けとった研究者が含まれていた。2016年には、アメリカ全体で、医者や研修病院などにのべ81億8千ドルほどの金を注いだ(注5)。2013年のアリゾナ大の研究では、製薬会社が、研究費を直接出してはいなくとも、会社の株保有者、研究者に関係あるコンサルタント、指導者などなどを通すようなこともしているようである。そして、2022年の調査では、重要な研究論文2紙に発表された論文のうち81%では、製薬会社からの援助などについては触れていない。論文の後にそうした事実(資金源など)を述べるように規定されているはずだが(注2)。
メルク社が、1999年に発売したVioxxという鎮痛剤の話が語られる(注6)。メルク社は、1990年代後半から2000年代はじめにかけて、この薬が有用であることを強調する73の論文(ゴーストライターにより作成)を発表した(注2)。この鎮痛剤のために、16万人にハートアタックや脳卒中が起こったという検証結果をFDAの副委員長D.Graham博士が発表し、この薬は安全ではないと言及した(注7)。薬を認可したFDAは、それを無視し、この薬は販売され続けた。しかし、危険性についての研究結果などが大分出たので、2004年9月に、ようやくメルク社は、この薬を取り下げた。研究者などに、好都合な論文を発表させるばかりでなく、患者に直接接する医療者達に、そうした薬を処方することを奨励することもやっている。Strong女子の論考(注2)には、さらに沢山のこうした例が挙げられている。
さて、WHOであるが、1948年に創立された時には、国連所属国からの資金援助のみであったが、2005年に制度が変更されて、私企業からの資金も許容されるようになった。現在では、資金の20%のみが、国連所属国からの金で、残り80%は、私企業や個人からの支援金に依存している。ビル/メリンダ・ゲーツ財団だけで、WHOの年間費用の13%を寄与しているそうである。WHO資金援助者には、大製薬会社アストラゼネカ、ベイヤー、ファイザー、J・J、メルクなども名を連ねている。NIHとかCDC、FADなどにも、私企業の資金が入っている。
最後に今回のワクチンの件である。ファイザーのワクチンについての2020年の研究者報告には、29人の名が挙げられているが、18人は、ファイザー社員で、会社の株を持っていた。また、別の一人は、かってファイザーから研究費を受けていたそうである。また別の2021年の研究報告の15人の研究者のうち7人は、ファイザー社員かその株もち。残りの8人は、ファイザー社から研究費を。
その上、FDAは、ファイザーのデータ(329,000ページ)を公にすることを拒否していた。いや、全部公表するまでに75年としていた。多くの学者その他の要求で、なんとか12,000ページまでは2022年1月31日までに公表されたが、それ以後は、毎月55,000ページを差し出すというやり方だそうである。こうしたデータから、先の投稿で述べた(注8)ファイザー社が隠していたワクチンの深刻な悪影響が明らかになってきつつある。SARS-CoV-2による感染症のみならず、他の健康へのワクチンの悪影響(特に心筋炎や血栓による様々な死)は、CDCによる週毎の発表でも、かなりの数がある。2020年12月から2022年1月末までに、死者23,149人、重症者が183,311人、1,597件の早産や流産など。これらの数値は、全ての死や症状が報告されているわけではないので、実数はこの10倍ぐらいはあるとのことである。それにもかかわわらず、ワクチン摂取は、まだ強調されているし、場合によっては、ワクチン摂取しないと、職を失うケースもある。また、ワクチンの負の影響を発表しただけで、医師が職を追われることも起きている。以上は、主として、アメリカの状況であるが、日本ではどうなのであろうか。
(注1)http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201001140907254
(注2)https://childrenshealthdefense.org/defender/system-rigged-big-pharma-political-reach/
(注3)http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201011061122406
(注4)http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201105071008346
(注5)https://www.drugwatch.com/news/2017/07/03/big-pharma-influence-doctors-2016/
(注6)https://www.npr.org/2007/11/10/5470430/timeline-the-rise-and-fall-of-vioxx
(注7)https://www.finance.senate.gov/imo/media/doc/111804dgtest.pdf
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