2022年05月28日20時49分掲載
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検証・メディア
JR東海葛西名誉会長追悼記事にみるマスメディアの劣化
JR東海名誉会長の葛西敬之氏が死んだ。81歳。マスメディアは相変わらず彼を持ち上げる報道に終始している。しかし彼がやったことは、政治権力と結託して労働運動をつぶし、開発至上主義で自然環境を破壊するだけのリニア新幹線ごり押しだけじゃないのか。いい加減にしてほしい。(大野和興)
本日28日の毎日電子版の追悼記事は、以下の見出しと書き出しで始まる。
以下引用−−
「国士」「侍」「巨星」… 葛西敬之氏死去、政財界から惜しむ声
JR東海名誉会長の葛西敬之さんが亡くなった。国鉄改革をリードし、リニア中央新幹線の建設に尽力。政界に幅広い人脈を持ち、時の政権の知恵袋としても活躍した。落ちた巨星を悼む声が政財界から相次いだ。(中略)
国鉄民営化以来、政治家との関係が深まった。人脈は与野党をまたぎ、安倍氏とは頻繁に食事する仲として知られた。国家公安委員のほか、国の原子力損害賠償支援機構の運営委員として東京電力の実質国有化や組織改革にも携わった。政府の宇宙政策委員会の委員長は現職だった。
葛西さんと対立した人からも追悼の声が上がった。
こういう人物を日本語では”政商”と呼ぶ。まともな実業家ではないという意味が込められている。
だが、日本の主要メディアの報道にはそうした彼の本質は一切出てこない。彼はやったことの第一は「国鉄労働運動つぶし」。第二はリニア新幹線ごり押し。リニアは経済的にはほとんど意味はなく、税金まで巻き込んで底なしの金食い虫と化し、自然資源と環境を破壊しているにすぎない。現実に、すでに行き詰まり、にっちもさっちもいかなくなっているのが現実だ。
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