2022年10月01日08時55分掲載  無料記事
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欧州

イタリアのコロナ状況と総選挙〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ

前回、前々回と3年ぶりの日本帰国について書きました。行く前も行ってからもコロナに振り回された日本帰国となりましたが、無事に9月6日にイタリアに戻りました。 
 
余談になりますが、日本からイタリアに帰る飛行機の便を予定から変更しなければならず、スイスのチューリッヒで一泊するはめになりました。初めてスイスに数時間ですが、滞在したわけです。その日の晩御飯はホテル近くのピッツァ屋で食べましたが、家族4人ピザとラザーニャとコカ・コーラの瓶を一本注文して、なんと100ユーロ!!日本円では約14000円・・・ 
つまり、ピザ一枚が3000円にもなる・・・一番シンプルなマルゲリータピザだったんですが、イタリアだったら、800円ぐらいで食べれるのに・・・スイスは物価が高いと聞いてましたが、本当に高い!!お給料も高いとは聞きますが、こんなんじゃ生きてけないわ・・とびっくりです。 
 
というわけで、無事イタリアに着きました。結局、日本には一か月半の滞在になりましたが、イタリアに帰ってきたら、浦島太郎状態になりました。早速スーパーに買い物に行ったら、誰もマスクしてない!マスクしてるのは、従業員だけ。コロナ規制が緩和して、スーパーもお店もマスク着用の義務はなくなってました。マスク着用は、バスや電車など公共交通機関のみ。(病院や老人ホームもマスク着用ありです。)学校もマスクなしで通うことができます。日本でずっとマスクしていたので、この差に最初は戸惑い気味でしたが、数日で慣れました。人間って、良くも悪くも慣れる性質を持ってるんですよね。ちなみに、フィレンツェの街を走っているトラムは、マスク着用義務がありますが、ほとんど誰もしていません。それをチェックする人もいないし・・・こちらでは、コロナはもう終わったという感じです。 
 
話は変わり、イタリア総選挙。予想通り「イタリアの同胞」が圧勝で、代表のジョルジャ・メローニ氏がイタリア初の女性首相となるのですが、どうもあまり盛り上がりがないように見えます。数年前、「五つ星運動」のラッジ氏が初の女性ローマ市長になった時の方が、ものすごく報道されていました。それは、ジョルジャ・メローニ氏がネオ・ファシスト系の政党出身であるということも影響しているようです。日本でもこの夏コンサートをしたロックグループのマネスキン。そのボーカルを務めるダミアーノは、インスタグラムに「イタリアにとって悲しい日」と選挙結果について記しました。その他、女優のサブリーナ・フェレッリもインスタグラムでファシスト政権時代を思い起こさせるような写真を載せて、この選挙結果を皮肉っています。 
 
現在、メローニ氏が組閣のために動いていますが、誰が内閣に入るのか、あまり名前が出てこないというのが現実です。右派というと、以前大きな勢力があったベルルスコーニ氏もすでに80歳を過ぎて、ほとんど表に出てくることはありません。また、前回の選挙で投票数を伸ばした「同盟」は、代表のサルヴィーニ氏がプーチン大統領を持ち上げる発言をしていたことで、ガクッと人気と投票数を落としました。そこで浮上してきたのが、メローニ氏というわけです。以前は数パーセントの投票率で、ベルルスコーニ氏とサルヴィーニ氏との連携で立場を保っていた党が、いきなり26%の投票率で表舞台に踊り出たとはいえ、あまりに右派の人物や政策を持ち出すことは今のイタリアでは反発を買うことは必至ですし、「イタリアの同胞」に負けたとはいえ、第二党の民主党や第三党の「五つ星運動」がそれなりの議席数を持っていますので、極右的な政策は行えないと思えます。 
 
思い起こせば、サルヴィーニ氏がプーチン大統領を持ち上げる発言をしていたと報道され始めたころから、メローニ氏はサルヴィーニ氏と距離を置き始めていました。これは、選挙を見込んでのことだったのか・・・と思えます。そういう点では、メローニ氏は状況を判断し立ち回ることができる人物であると言えるかもしれません。 


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