2022年10月25日16時11分掲載  無料記事
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アジア

ミャンマー国軍が少数民族式典会場を空爆、60人以上死亡

 ミャンマー北部カチン州パーカン郡で23日、少数民族組織、カチン独立機構(KIO)の式典会場に国軍が大規模な空爆を行い、60人以上が死亡した。KIOの結成62周年を記念する野外コンサート中に国軍の戦闘機2機が爆弾を投下、同州で有名な複数の俳優やアーティストも犠牲になった。死傷者数は、200人を超える可能性があるという。地元のメディアの報道をミャンマージャポンが伝えた。 
 KIOは国軍と戦闘をつづけるカチン独立軍(KIA)の政治組織で、昨年2月の国軍クーデター以降は民主派勢力と共闘している。 同州では、毎年10月25日にKIOの設立記念式典が行われており、23日は3日間にわたり行われるセレモニーの初日だった。 
 KIO報道官のナウブ大佐は、空爆は国軍が意図的に行ったものだと批判し、爆撃による死傷者の正確な数はまだ調査中と述べた。 
 ミャンマー軍評議会(SAC)は同日、KIAに対する報復軍事作成を実行したと発表した。. 
 ミャンマー国連代表部は24日、「10月23日に実行された国軍による民間人に対する空爆は明らかに度を越えている。攻撃に関わった者は責任を取らなければならない」との声明を発表した。 
 また松野博一官房長官は25日午前の記者会見で、ミャンマー国軍によるカチン州への空爆について、「多数の市民が犠牲となる事案が発生したことを極めて深刻に受け止めており、攻撃を非難する」と表明した。 
 その上で、「日本は昨年2月のクーデター以降、国軍に対して暴力の停止を一貫して求めており、アウンサンスーチー国家顧問を含む被拘束者の解放や民主的な政体の早期回復に具体的な行動を取るよう、改めて強く求める」とコメントした。 


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