2022年11月03日14時46分掲載
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政治
政治家・政党とジャーナリズム 絶対権力を作り出さないために その4 自民党支持者たちの心性
第二次安倍政権以後の一強時代に、自民党は国会を軽視し、国会での質問にきちんと答えず、強行採決も辞さず、という風に次々と法制度を作り続けてきました。こうした政治によって日本は権威主義政権の国あるいはファシズムに近づいてきましたが、これを自民党支持者の人たちはよしとするのか、という謎があります。小泉首相時代から、党の総裁が選挙の際の公認候補を決める際の決定権が強まったと言われますが、党内の異論も許さない空気を自民党支持者は良しとするのだろうか、ということが謎であり、また、メディアでこれまであまり掘り起こされてこなかったのではないでしょうか。
自民党の支持者は旧ソ連や旧東独、現在の中国などの独裁的政治を批判的に見てきたと思われるのですが、自分の支持する自民党の政治がそれに近づいてきている状況をどう考えているのでしょうか。あるいは、民主主義の信奉者はほとんど皆無で、戦前の日本の国体に復帰することを願っているのでしょうか。ネトウヨと宗教右派と財界が支援する国会軽視の政党で良しとするのでしょうか。海外の過激な宗教セクトである旧統一教会との癒着の問題をどう見ているのでしょうか。
謎は他にもあります。二大政党制を前提に小選挙区制を創出したはずなのに、一強になって政権交代がほとんど起きなくなって腐敗が進行している状況や、NHKをはじめ報道が委縮し、言論界が政府の圧力を受けて健全とは言えなくなっている状況、こういったことも自民党支持者にとっては、どう見えているのでしょうか。草の根の自民党支持層の心性をしっかりと研究することが今後は重要です。ところがメディアには議論をかき回す変な論客が多用されています。
中国共産党は西欧の民主主義よりも、自分たちの政治の方が優れており、言論の自由などは大切ではなく、むしろ国民が餓えることなく飯が食えれば、そして少しでも生活が向上できればそれが理想だと考えているようです。自民党政権もこの点で中国共産党とよく似ています。そして総裁選をもって、日本のリーダーを決める本当の選挙であるかのように幻想を振りまいた昨年の自民党総裁選は、中国共産党中央委員会の全体会議に似ています。改革派であれ、保守派であれ、自民党の政治家であることに変わりがありません。そして国民自体には投票権がありません。そういう意味で、中国共産党と自民党の政治は脱欧米、脱民主主義という共通点があり、本質的な意味で似てきていますが、ただ、日本の場合は国力が近年低下しているという点が中国と違う点です。しかも日本では新自由主義経済を導入し、貧困家庭が増えました。そして、貧困化の進む中、民主主義を体験したことがない若い世代が続々と育ち始めています。自由や民主主義を知らない若い世代が多数を占める、という点で中国と日本はよく似ています。
自民党支持者の中に、国会を尊重し、憲法を尊重し、選挙や政治における公正さを尊重する人はいないのでしょうか。安倍政権下では、国会解散権を恣意的に何度も使って、権謀術数的政治を行ってきましたが、それを良しとするのか、という謎です。野党が疑問を呈するのは当然としても、与党の中にこれを疑問視して、自ら変革する人はいないのだろうか。多くの人が心の中で疑問に思いながら、その心性に迫ることなく、ほとんど報道されてこなかった政治的というより社会的あるいは文化的なテーマです。「自民党支持者とはいったいどんな人間なのか」、ここを本来ならメジャーな媒体にも掘り下げてもらいたいものです。
■2024年にトランプは復活するのか オーストラリア版60ミニッツのTV報道
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■ニューヨークタイムズの年末の寄稿から 「ヴォルテールを見よ」と言ったロバート・ダーントン氏(ハーバード大学名誉教授 18世紀フランス史)
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■私はなぜ刑務所の民営化と闘ってきたか 元受刑囚で「刑務所法律ニュース」のジャーナリストに聞く Interview : Alex Friedmann , Managing Editor of "Prison Legal News."
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■アメリカの教師 〜低い所得で副業 辞めたい教師が3人に1人〜
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■戦争と医療保険費
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■ルモンド紙 「日本の公共放送の経営委員が南京の虐殺を否定」 〜報道機関であるNHKに疑問を投げかける〜
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201402061141514
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