2022年11月20日20時17分掲載  無料記事
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遺伝子組み換え/ゲノム編集

安全性審査未実施の遺伝子組み換え菌使用が判明 生産・出荷は停止

 天野エンザイムは11月15日、安全性審査が行われていない遺伝子組み換え菌を使った添加物プロテアーゼを製造し出荷していたと発表した。同社の発表によれば、この未審査の遺伝子組み換え菌は、2013年に吸収合併した大和化成が1990年代に開発した遺伝子組み換え菌であり、この酵素を欧州で登録するために欧州当局に提出したところ、「遺伝子組み換え菌である可能性を示唆する報告」があり、同社でも遺伝子配列などを解析し、10月12日に遺伝子組み換え菌であることを確認したという。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 
 その後同社は10月14日、出荷停止を決定するとともに厚労省、経産省へ報告したという。このGM菌によるプロテアーゼは10月11日の生産を最後にそれ以降の生産はなく、出荷分については10月26日より回収を始めたとしている。また、このGM菌による健康上の安全性は「特段の異常」がないことを確認したとしている。 
 
 厚労省は11月15日、天野エンザイムの未審査GM菌による添加物プロテアーゼに関し、製造、販売の中止等を指示するとともに、安全性審査のために必要なデータの提出等を指示したと発表した。厚労省はまた、天野エンザイムの報告を受けて「現時点で直ちに健康への影響があるものとは考えていません」としているが、安全性評価に必要な資料が提出され次第、速やかに食品安全委員会に諮問し、その結果を見て、このプロテアーゼを使用した食品の販売、流通の停止について判断するとしている。 
 
 天野エンザイムは、1899年創業で医薬用・食品加工用の酵素などを製造している。 
 
・天野エンザイム, 2022-11-15 
遺伝子組換え菌を用いて製造した添加物(酵素)の公的審査手続きの未実施について 
https://www.amano-enzyme.co.jp/news/20221115133907.html 
 
・厚労省, 2022-11-15 
食品衛生法に基づく安全性審査を経ていない遺伝子組換え微生物を利用した添加物についての対応 
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29195.html 


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