2022年11月20日20時34分掲載  無料記事
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検証・メディア

TVの討論番組に正統性はあるか? 財界が金を出す政治ショーではないか

  先日の続編ですが、フランスの大企業グループのトップである大富豪のヴァンサン・ボロレが保有するTVチャンネルの討論番組で行われた司会者シリル・アヌーナと左派議員ルイ・ボヤール(LFI)の喧嘩が、フランスで大きな議論になっています。あまりにも露骨な富裕層への媚びが、TVの正統性すらも疑問符をつきつけ、当該議員が所属する政党が新法案を出すと言っています。インターネットで検索してもすぐにたくさんのメディアの異常さを論じる報道番組などの動画があがっています。 
https://www.youtube.com/watch?v=Uy2khglzGwo 
https://www.youtube.com/watch?v=sTeF7aJWeWE 
https://www.youtube.com/watch?v=omuILcLW0tA 
https://www.youtube.com/watch?v=sGYxoqlvI8U&t=848s 
https://www.youtube.com/watch?v=R-JzMwMMuZE 
  討論に出てくる論客の人選、司会者の人選、討論の進行のあり方、すべてに疑問符が突き付けられています。日本にも討論と似て非なる長寿の疑似討論番組があります。疑似民主主義にはそれに見合った疑似討論番組があります。 
 
  ジャン=リュク・メランションが率いる新党LFI(服従しないフランス)には、「NuitDebout(立ち上がる夜)」というパリの共和国広場に集まって夜ごとに討論を行った市民やNGOなどが多く参画しています。そこで話し合いを行っていたたくさんの輪の中には、メディアのあり方を真剣に問うグループもありました。TVでの喧嘩がメディアのあり方への問題を突き付け、国会とメディア自体の中で大きな論題となってきたのは必然性があります。すなわち、市民目線の疑問点が、市民が議員になったことで、国会で可視化され、さらに主流メディアでも取り上げられる、ということなのです。ボヤールという発端となった議員はまだ23歳と大学を出て間もない若者です。だからこそ、今まで無視されてきた大切なテーマがたくさんあるのではないでしょうか。そういう意味で市民の政治が、今年、フランスで大きく開花してきたと言えるでしょう。 


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