2022年12月13日01時08分掲載  無料記事
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国際

社会党にかわって新たな野党連合の基軸になった「服従しないフランス」(LFI)の22歳の注目議員

  フランスの今年の国会議員選挙で躍進した野党共闘NUPESの基軸になったのが、元社会党議員のジャン=リュク・メランションが様々な市民運動家たちと作った「服従しないフランス」(LFI)でした。この政党は若手が元気で、良きにつけ、悪しきにつけ話題を次々と提供しています。 
 
  悪しきにつけ、というのは32歳のアドリアン・カンテネン議員が妻を平手打ちするなどの家庭内暴力を訴えられた件です。党の幹部たちは常習犯ではない、などと弁護しましたが、極めて歯切れが悪かったのでした。金髪のドラム奏者でさっそうとしていたため、それまで切り込み隊長的だったカンテネン議員は最近はあまりメディアの前に出なくなっているようです。これは有能な女性議員を抱え、女性に対してアピールしてきたLFIにとってはダメージでした。私のフランス人の女性の知り合いたちの中には一定数、メランション党首自身もマッチョ的な体質があるとして、支持できない、という声を耳にしたことがあります。 
 
  良きにつけ、というのは前回お伝えしましたが、22歳のルイ・ボヤール議員が、民放のTV討論の場で、大富豪でチャンネルのオーナーでもあるヴァンサン・ボロレについて、アフリカ人を搾取して金儲けをしていると生放送中に批判し、番組司会者ともめ事を起こした件です。彼は後に、メディアにおける大富豪の金の力を国会で調査せよと訴えました。ボヤール議員は高校時代から学生の組合運動のリーダーで、若くても「政治」経験は豊富です。国会や内閣だけが「政治」ではありません。昨年、彼は未だ大学生ながらLFIから選挙に出て当選し、フランス政治史上2番目に若い国会議員(選挙の時は21歳だった)となりました。現在は一時、大学は中断して政治に専念するとされます(これはウィキペディア情報)このボヤール議員はツイッターで、今度ベルギーのブリュッセル自由大学で若者たちと討論会を行うと伝えています。ツイッターによると、これでフランス内外の大学に赴くのは議員になって11回目だとしていますから、自分自身も大学生であることを活用して、若い世代で議論をし、政治について関心を高めているのでしょう。大学で政治活動をすると処分されかねない日本とは大きな違いがあります。 
 
  カンテネン議員も、ボヤール議員も世間に対して大いにお騒がせしています。委縮しないで、反省すべき点は反省し、めげずに大きく成長してほしいものです。 
 
 
※実はリベラシオン紙の最新号にLFI所属女性議員のクレマンティーヌ・オーテイン氏が「LFIを民主化する必要がある」とインタビューで語ったことが話題になっています。中堅の著名議員でジャーナリスト、映画監督でもあるフランソワ・リュファンもこれに同調しているとされ、ルモンドでも記事が出ました。これはジャン=リュク・メランション党首の後継者に側近のマニュエル・ボンパール議員が無選挙で指名されたことがきっかけとなって、執行部に対する不満が出てきたものと思われます。 
https://www.lemonde.fr/politique/article/2022/12/11/clementine-autain-et-francois-ruffin-critiquent-repli-et-retrissement-a-la-tete-de-la-france-insoumise_6153974_823448.html#xtor=AL-32280270-%5Btwitter%5D-%5Bios%5D 


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