2022年12月18日13時09分掲載
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人権/反差別/司法
国連人権勧告の実現を! 市民団体が院内集会開催
12月10日は、世界人権デー。これに先立ち、国連から出された人権勧告の実現を求める市民団体が、8日に同勧告の実現を求める院内集会を開催した。集会では、日本における外国人差別の実態を扱った映画「ワタシタチハニンゲンダ!」が一部上映され、映画の監督を務めた高賛侑監督が同映画を制作するに至った経緯などを説明した。
映画「ワタシタチハニンゲンダ!」は、日本社会に残る外国人差別の実態をドキュメンタリー形式で取り上げた作品。作中では日本政府がこれまで行ってきた入国管理政策の歴史が順を追って解説されるとともに、朝鮮学校の高校無償化排除、外国人技能実習生に対する人権侵害、入管施設内での長期収容などの問題について、当事者や関係者がその苦しい胸の内を語っている。
高監督は、映画「アイたちの学校」で朝鮮学校高校無償化排除の問題を取り上げ、これが第93回キネマ旬報ベスト・テンに選出されている。集会で高監督は、「当時の日本社会のあらゆるところに朝鮮人差別が満ち満ちていた」と、在日朝鮮人二世である自身の過去を振り返りながら、「そのような在日朝鮮人差別をなくすことに一生を捧げることを決めた」と、同作を制作するに至った経緯を語った。
「アイたちの学校」に続く映画「ワタシタチハニンゲンダ!」では、日本で生活する外国人に対する差別の問題を幅広く扱っており、これについて高監督は「在日朝鮮人の権利を守るためには、日本にいる外国人全体の権利を守る必要がある」と、本作への思いを語った。その上で、「この映画を見てかわいそうだと思うだけでなく、自分で何ができるかを考え、実際に動いてほしい」と参加者に呼び掛けた。
集会では、東京出入国在留管理局などに収容されている人々への面会活動に取り組むBONDの小堀百花さんも発言。東京入管に収容されていたイタリア人男性が、収容中に自殺した事件に触れ、「入管は口先だけで、現場は全く変わっていない」と、ウィシュマさんの死亡事件後も変わらない入管の対応に、憤りの声を上げた。
また、集会を主催した実行委員会のメンバーであるピースボートの野平晋作氏は、「私たちは、2013年に当時の安倍政権が『国連の勧告に従う義務はない』などと、閣議決定したことに怒りを覚えてできた市民ネットワークである」とした上で、「結成から、ほぼ10年が経過するが、日本政府の姿勢は当時と全く変わらない。本当に恥を知ってほしい」と、人権意識の薄い日本政府の姿勢を非難した。さらに、入管法の改正について「政府はウクライナ避難民の受け入れを進めるために、入管法を改正しようとしたが、これは元々政府がやりたかったことを、ロシアによるウクライナ侵攻を口実にやろうとしただけである」と述べ、今後の入管法の改正に警鐘を鳴らした。
実行委員会は、来年1月29日に千代田区の連合会館内で「ワタシタチハニンゲンダ!」の全編上映会を予定している。
「国連人権勧告の実現を!」実行委員会ホームページ↓http://jinkenkankokujitsugen.blogspot.com/
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