2023年01月17日21時25分掲載  無料記事
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アジア

「KDDIと住友商事が国軍の人権侵害に加担」ミャンマー人権団体が指摘

 ミャンマーの人権団体「ジャスティス・フォー・ミャンマー(JFM)」は、日本のKDDIと住友商事が軍評議会(SAC)による人権侵害に加担していると指摘した。JFMは、両社はビジネスパートナーであるミャンマー郵電公社(MPT)と合弁でミャンマーにおいて通信事業を展開しているが、SACが反対勢力やジャーナリストに対する弾圧を強化するための通信傍受やメール閲覧などの違法行為を黙認していると指摘。市民の弾圧に加担するなどの行為をただちに止めるよう要求した。ミャンマージャポンが伝えた。 
 JFMはまた、イスラエルのソフトウェア会社「コグナイト」が2020年12月にSAC傘下のMPTとスパイウェアの販売に関する契約を締結していたことを明らかにした。この直後の2021年2月に国軍はクーデターでアウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)政権から権力を奪取した。 
 このスパイウェアは、ユーザーの同意なくコンピュータ操作を妨害したり制御できるもので、当局に電話の盗聴や電子メールを含むWebトラフィックを表示したり、ユーザーの位置を追跡する権限を与えることが可能になる。 
 コグナイト社は米国のベンチャー企業向け株式市場NASDAQ(ナスダック)に上場している。 
 一方、元国連専門家により設立された「ミャンマーのための特別諮問委員会(SAC-M)」は16日、日本をはじめ欧米や中韓など13か国45社がミャンマー国軍の武器製造に加担していると発表した。 SAC-Mによると、これらの企業をつうじて国軍の武器製造工場で必要な原料、部品などが調達されているという。 
 最大の調達先は中国の中国兵器工業集団(NORINCO)で、原料調達のほか軍事技術支援や研修も行っているという。SAC-Mは、国民を弾圧しているミャンマー国軍の武器製造の支援に繋がる行為を即刻止めるよう要求した。 
 「ミャンマーのための特別諮問評議会(SAC-M)」は、元国連ミャンマー特別報告者の李亮喜氏や、ロヒンギャ調査団に参加していたマルズキ・ダルストン氏、クリストファー・シドティ氏ら3人が設立したもの。マルズキ・ダルストン氏は「ミャンマー軍評議会(SAC)の残虐性は、とても人間とは思えないものだ」と強く批判した。 


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