2023年01月25日18時42分掲載  無料記事
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政治

野党第一党が与党補完政党となったので、何をやっても岸田内閣は安泰 〜90年代から続く右傾化運動の旗手となった立憲民主党〜

  立憲民主党が日本維新の会と国会で共闘することになり、日本維新の会は自民党の補完勢力であるため、野党第一党を含めた大政翼賛会化が進んでいると言っても間違っていないだろう。岸田内閣が国民不在で次々と外交防衛から内政まで重要事項を決めていけるのも、野党第一党の立憲民主党の執行部が自民党政権と極めて親和性が高いからに他ならない。これは野田元首相がかつての安倍首相と親和性が高かったこととよく似ている。 
 
  立憲民主党が泉健太氏をこの重要な政局の時に代表にして、そのような政権交代封じを徹底的に行っていることは、冷戦終結後に一貫して行われてきた日本政治の右傾化の運動である。これは1993年の細川護熙首相による日本新党の動きが現在も脈々と続いており、2012年暮れの野田元首相の国会解散や、2017年の民進党の希望の党への移籍騒動と同じ流れにある。つまりは、かつての社会党と共産党の革新政党を弱体化して、保守二大政党システムを作り、二大政党のどちらが政権についても米政権の統制のもとに新自由主義化と軍事大国化を目指す、という右派の政治運動の流れである。泉代表の言動は過去のこの政治運動のメインストリームと連動しており、何ら新しいものではない。そして、旧統一教会と方向性を同じくする古典的な反共運動でもあるため、共産党との共闘を徹底的に拒み、共産党を排除する政治運動でもある。 
 
  しかし、2017年に前原民進党代表が画策したこの保守二大政党化に対抗して市民の力を得てようやく産声を上げた立憲民主党が再び、保守二大政党化路線に舵を切ったことは、有権者への明白な裏切りであるばかりでなく、保守二大政党制に危惧を感じる有権者への政党トップによる挑発的な宣言と言える。立憲民主党議員は、今、この執行部の豹変に声もなく従っているとしたら、安倍首相のもとで異論を封じて一枚岩となった自民党と極めて体質が近い、と言わざるを得ない。現在の野党第一党が自民党を補完する限り、有権者の多くは再び政治に対する絶望感を高めていくだけだ。選択の自由というのは新自由主義のミルトン・フリードマンのモットーだったが、この国には政治家たちの気軽な裏切りの連続で「選択の自由」すらない。 
 
 
 
 
※以下は、2017年秋に私が書いた記事。民進党が希望の党に合流する前夜の時代の転機である。未だ生まれていなかったがリベラル新党(立憲民主党)に期待したり、宏池会に期待したりしていた。いかに自分が甘かったかがわかる今日この頃である。岸田氏はかつての護憲・リベラルの色はすべて消してゾンビのような首相になった。 
 
 
■マスコミの中には「自民VS希望」の構図を描く会社もあるが、今回の選挙はこのような対立軸ではない リベラル新党を作れば勝利できる(2017年9月29日) 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201709291557365 
 
■宏池会と民進党左派でリベラル新党の結成を  政界再編への期待  勝ち目はある (2017年9月29日) 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201709290101485 


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