2023年02月24日06時08分掲載
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入管
【入管法改悪反対】全国で一斉行動実施 “仮放免者に在留資格を”
政府が今国会に提出予定の入管法改定案に反対するための全国一斉行動が、23日に取り組まれた。東京、大阪、名古屋などの9都市で行われたデモや集会への参加者は、「入管法改悪は人権侵害です」「私たちは人間だ」と書かれたプラカードなどを掲げながら、「入管法改悪反対」「仮放免者に在留資格を」と抗議の声を上げた。
名古屋入管でスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなってから、今年3月で2年が経過する。ウィシュマさんが亡くなる前の2週間の状況を記録したビデオ映像が未だに全面開示されない中、東京のデモに参加したウィシュマさんの妹であるポールニマさんは、「姉を死に追いやった入管が、何も反省をしないで、自分たちの権限を強くするための法案を国会に提出しようとしている。私はこれが許せない」と、その胸の内を語った。
主催は、入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合(入管闘争市民連合)。東京では、上野恩賜公園からデモ行進を行い、これに約400人(主催者発表)が参加した。デモ行進終了後の集会で、クルド人の配偶者を持つという嶋津まゆみさんは、「私たちのように子供がいない夫婦は、在留資格が得づらいと聞いたが、このようなセンシティブな内容を在留の判断材料にしているのかと思うと、憤りを感じる」と述べ、排除や分断ではなく、日本人と同じ土俵で共生していくためのルール作りが必要であると訴えた。
また、関東近郊で被収容者の支援活動に取り組むBONDの学生メンバーである加納茜さんは、「政府が提出しようとしている改悪案では、送還忌避者の問題も収容の問題も何一つ解決することはできない」と述べ、「(政府法案は)廃案にするしか道はない」と強い口調で語った。
出入国在留管理庁が、長期収容の解消などを理由に進めようとしている入管法の改定については、自民党が今月22日の法務部会でこの法案を了承した。今後は、3月上旬に国会への法案提出が見込まれる中、入管闘争市民連合の代表である指宿昭一弁護士は、「今回のデモにこれだけの人数が集まったのは、入管法の改悪にそれだけ市民が危機感を持っているからである」とし、引き続き改悪阻止に向けた取り組みを進めていく意思を示した。
入管闘争市民連合では、今後も毎週金曜日の夕方に国会前での抗議活動に取り組んでいくと予定であるという。
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