2023年03月06日15時35分掲載
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欧州
3月7日のデモに備える女性たち 年金制度改革反対デモ
フランスでは政府の年金制度改革法案が発表された1月以来、100万人単位の大規模デモが何度か行われてきました。明日、3月7日にも予定されており、これで政府案を廃案に追い込むという勢いです。
この政府の改革案で最も不利になるのが女性です。というのは、女性は非正規労働者の割合が圧倒的に高く、出産と子育てでも就労期間に穴があくことが多く、年金の掛け金を払える期間が男性より大幅に短いため、政府案で満期まで働こうとすると(この改革でフランス政府は年金の掛け金を支払う労働者の満期を62歳から64歳に変更しようしていますが)、非正規労働者の場合は、67歳、あるいはそれ以上まで働かなくてはならないとされることです。しかし、そこまで働いたとしても、年金額の算定方法が昔より苛酷になっているため、受け取ることのできる年金受給額はかつてより少ないと言われています。ただでさえ、男女の賃金差別があるところに、本来は弱者を救うための年金制度改革でダブルパンチになるのです。
そういうわけで、女性たちがデモに積極的に参加していますし、ATTACフランスが中心となって、女性たちに替え歌を作って、ダンスをしながらリラックスして闘う方法を行っています。
https://www.youtube.com/watch?v=zeCdcWcgTZY
https://www.youtube.com/watch?v=IdJbWaKCATE
この改革で政府は年金財政が破綻するリスクを強調していますが、実際にはそれは嘘だとエコノミストたちから批判されています。むしろ、政府の狙いは年金制度に対する公的支出をあえて減らして、民間の保険会社を参入させようとしていると言われています。日本の与党の動きと通底するもので目が離せません。
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