2023年03月09日10時09分掲載
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入管
入管法改悪反対 国会前で学生らが抗議 「人権侵害はやめて」
政府が外国人の収容・送還の在り方を見直す入管法の改定案を閣議決定したことを受け、8日に学生らが国会前で抗議活動を行った。全国から集まった参加者は約100人(主催者発表)。各々「外国人差別やめて」「入管法改悪は人権侵害です」と書かれたプラカードなどを掲げながら、「今日から私たちの闘いの場は国会である。国会を包囲するくらいの動きで、法案を廃案に追い込んでいこう」と声を上げた。
抗議行動に参加した関西で活動する支援団体TRYの学生メンバーの女性。政府の改定案について、「国内外の支援者や専門家から強い批判を受けているにも関わらず、また同じ内容の法案を出そうとしてきている」とし、人権侵害に繋がり得る改正を進めようとする政府の姿勢に疑問を投げかけた。
また、同じく関東で支援活動に携わるBONDの学生メンバーの女性。「命よりも送還を第一にするという考えの下で作られた入管法案は、一部を修正してよくなるものではなく、廃案にするしか道はない」と述べ、送還を原則とするのではなく、国際基準に沿った難民の受け入れを進めるように求めた。
政府が閣議決定した入管法改定案では、難民認定手続中は送還が停止される送還停止効に例外措置を設け、3回目以降の難民認定申請者の送還を可能にするといわれる。これについて、現在仮放免中でミャンマー出身のミョーチョーチョーさんは、「私は先日3回目の難民申請が却下されたため、法案が改定されたらいつ送還されてもおかしくはない。ただ、日本で普通に暮らしたいだけなのに、なぜそれが叶わないのか」と、難民として保護されるべき者が送還され得る制度改定に、憤りの声を上げた。
同法案について、斎藤健法務大臣は7日の記者会見で、「修正すべき点は修正した」とし、「3回目以降の難民認定申請者について、相当の理由がある資料を提出すれば、保護すべき者は確実に保護できる仕組みにした」と説明している。これついて、支援団体関係者などからは、「『相当の理由がある』という言葉がついた時点で、結局はその点を入管の裁量で判断されることになる」と、疑問視する声が上がっている。
BONDやTRYなどが所属する入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合では、今後も同様の抗議活動や署名の提出などを通じて、入管法の改悪に反対していく方針であるという。
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