2023年03月09日12時48分掲載  無料記事
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検証・メディア

内閣法違反容疑で「礒崎氏は予算委の証人喚問に応じるべきだ」と小西参議院議員

 総務省の放送行政に介入した内部文書が公開されたばかりの自民党・礒崎陽輔氏が、国会で文書を開示した当の小西ひろゆき参院議員(立憲民主党)とツイッター上でぶつかりあっている。小西氏はもともと総務省の官僚だったために、総務行政のプロであることが礒崎氏にとっては不運だっただろう点だ。しかも、小西氏はまさにその問題を担当した「放送法解釈を担当する放送政策課長補佐」だったと言っているのである。 
 
礒崎陽輔氏 
 「#放送法 法律論ですから分かりにくいかも知れませんが、政府は、昭和の時代から、政治的公平性は、極端な場合を除き、「番組全体」を見て判断するという解釈を示しているのです。しかし、極端な場合は、そうでない場合もあるということです。これは定着した解釈であり、変えようはありません。」 
 
小西ゆろゆき参議院議員 
  「完全なでたらめです。私は放送法解釈を担当する放送政策課長補佐でしたが、そんな「定着」した解釈は見たことも聞いたこともありません  礒崎氏は当時「国家安全保障と選挙制度」のみを担当する総理補佐官であり、放送行政に介入したのは内閣法違反です。礒崎氏は予算委の証人喚問に応じるべきだ」 
 
  今回の一連の事態を見て、官僚が内部文書を開示したことは良いことだった。これはまさに公益のための内部告発であり、告発の対象は安倍政権の放送行政であり、圧力をかけて放送をゆがめた担当政治家たちである。総務省の中にこれだけの良心があったことは、この事件の最大の見せ場であり、全体的に腐った土壌の中に見えてきた再生の兆しと言えるだろう。この件をこうして振り返ってみると、赤狩りで知られたマッカーシー議員のケースを思い出した。赤狩り時代の異常な空気はその後、マッカーシー議員の失脚で収まっていく。 
 
  安倍首相をあれほどにも権力者に仕立て、政権を持続させたのは選挙での連勝だった。それはマスメディアの統制なしにはありえなかった。その核心が、この総務省内部文書に集約されている。安倍政権はまさにメディア政権だった。そのからくりが今、元記者や元官僚たちの証言から次第に見え始めた。日本社会が安倍神話の時代から、正気にもどるまでにまだ時間はかかるだろうが、貴重な一歩だ。 
 
 
 
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