2023年03月09日21時06分掲載  無料記事
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政治

2015年に礒崎氏について記者会見で質問を受けていた高市氏 〜安倍首相のレガシー「ご飯論法」の切れ味〜

  高市氏は、礒崎氏について知ったのは今年の3月〜今月だったと国会で答弁した。ところが・・・2015年に高市総務大臣(当時)は、礒崎氏の発言について共同通信記者の質問を受けていた。これは平成27年7月28日の記録で、総務省のウェブサイトで公開されている。「高市総務大臣閣議後記者会見の概要」である。以下の答が、高市氏の発言である。高市氏は、これも改竄文書と言うのだろうか? 
 
https://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02000406.html 
「礒崎総理補佐官の発言 
問: 
 共同通信の宮沢と申します。安全保障法案の関連でお話をお伺いしたいのですが、先日、礒崎総理補佐官が週末の講演でですね、法案を巡って「法的安定性は関係ない」という発言をされて、昨日から、野党からですね、憲法解釈の継続性を軽視しているのではないかという批判が挙がって、解任要求なんかも出ております。 
 与党でも公明党さんなんかも批判的な発言をされているのですが、参議院の審議が始まりまして、政府全体としてですね、国会の理解、あるいは国民の理解を深めていかなければならないという状況にあると思うのですが、この発言について、大臣どのように見ていらっしゃるか、受け止めをお聞かせいただければと思います 
答: 
 講演の中での発言というのは、本当に難しいものだと思います。私自身にも過去に失敗の経験がございます。講演全体を私が承知しているものではございませんので、礒崎補佐官の御発言が前後どういう文脈の中で出てきたかということは分かりませんけれども、一般的に、法的安定性の確保というのは、立憲主義ですとか法治主義の基礎をなすものでございますから、補佐官の発言も、それをないがしろにするようなものではなかったのだろうと考えています。 
 しかしながら、今、非常に大事な時期です。参議院で、昨日、本会議で趣旨説明と質疑が行われ、本日から特別委員会での審議が始まるというこの時期に、誤解を招きかねない発言があったということは残念でございますので、内閣として気を引き締めて職責に当たってまいりたいと思います。」 
 
  実は、高市氏の小西参議院議員の質問への答弁をよく聞いてみると、次のように答えていた。「礒崎補佐官についてその名前、もしくは放送行政に興味をお持ちだということを知ったのは3月、今年の3月でございます」つまり、この文には2つの要素が「もしくは」でつながれているのだ。したがって、礒崎氏のことは知っていたが、「放送行政に興味をお持ちだとは知らなかった」という逃げが打てる。次元の異なる2つの要素を並行して使うことで、両方とも同時に嘘でなければ「真」というような、あいまいかつ卑怯な語法を使っているのである。これによって、うっかりすると、「高市氏は、礒崎氏のことを今年3月まで知らなかったのか」と誤解する市民も多いだろう。これはご飯論法のバリエーションと言っていいだろう。こんな論法を国会で使う政治家は、国民をバカにしているので、もうお役御免にしよう。 


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