2023年04月09日17時55分掲載  無料記事
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福島

福島県富岡町 「復興拠点」 「避難指示解除」 

 2023年4月1日午前9時、東京電力の原発事故の影響で「帰還困難区域」となった福島県富岡町の一部で「避難指示」が解除された。解除された地域は「夜の森地区」等。 
 解除されたのは、国が優先的に除染を進めてきた「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)の約3・9平方キロメートル。「JR常磐線夜ノ森駅と国道6号の周辺」。原発事故当時、人口の約20%、約4000人が住んでいた。 
 
 富岡町のプレスリリース等によると、現在の住民登録者数は1143世帯2580人(3月1日時点)で、自宅に「宿泊」しながら帰還に備える準備宿泊には、26世帯54人が申請している。 
2017年4月には町の大部分で避難指示が解除。今回で町全体の約93%が解除されたことになる。 
夜の森地区を4月1日に訪ねた。 夜の森地区の桜並木は全長2・2キロ・メートル、約400本。「満開」の桜。 
 
「福島大百科事典」「民報年鑑」(福島民報社)「福島県民百科」「みんゆうデータブック」(福島民友新聞社)等によると「夜の森の桜」は、農村開発として旧小高町から入植した半谷清寿から始まる。 
半谷が入植した当時「昼間でも薄暗い原野だった」といい、そこから地区名の「夜の森」になったと伝えられる。 
 
 震災直後から南関東に避難している高齢の女性は、屋台の「お好み焼き」に目を細め「美味しそう。でも全部は食べられないから。匂いだけでもお金を払いたい」と「体に煙をかける仕草」をした。 
 「談話」をメモしていると、県内に避難していた高齢の女性は「こんな時だけマスコミの人が来るの。こっちに来る時ね。たくさんね。そんな車がコンビニにあったよ。また来てね。お好み焼きとか塩なんとかの屋台もあったから。全部美味しそう。食べてってね。本当だから」と笑顔を見せてくれた。 


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