2023年08月14日07時43分掲載
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経済
中国のバブル崩壊の兆し 「150か国」に貸した総額1兆ドル融資はどうなる?
今、海外の新聞では中国のデフレとバブル崩壊の可能性が日々、大きく報じられています。ニューヨークタイムズの7月8日付の記事「Why China Has a Giant Pile of Debt」では、中国がこれまで150カ国以上に総額約1兆ドルほどを融資してきたが、中国バブルがはじける場合、それはどうなるのか?と言ったことを論じていました。
https://www.nytimes.com/2023/07/08/business/china-debt-explained.html
目下、指摘されているのは地方政府の負債であり、その多くが住宅やビルなどのインフラ建設です。これは中国の奇蹟とも言うべき2桁のGDPの上昇を毎年更新できた理由であり、庶民が収入の多くを消費に回さず、銀行に貯金し、その資金が地方政府の建設プロジェクトに投じられた、との説です。そして、今や、そのようなビルは空き部屋が増えて、もう建てすぎてしまった、というものです。このいわば日本の1990年代初頭のような状況から、中国がいかに日本のような失われた30年に陥らずに脱出できるのか?がテーマになっています。記事では、正確な数字は出していませんが、ざっと地方政府の負債総額が数兆ドル規模としています。
記事によると、地方政府は不動産価格が下降している今、次第に負債の金利が払えなくなりつつあり、その結果として医療や福祉に向ける資金が枯渇しつつあるとのこと。もしそうなればますます庶民は自分で対処するために貯金が必要となり、消費に金が回らなくなります。これは悪循環ですが、日本とやはりよく似ています。さらに中国が貸し付けた途上国の中には、経済が上向かず、中国の貸し付けが焦げ付く恐れもあるようです。しかし、その融資で途上国は学校を建てたり病院を建てたりしているということで、中国の明暗は実に数多くの途上国の明暗も関係していることを忘れてはいけないでしょう。
※中国の不動産価格の低下を報じるニュース
https://www.youtube.com/watch?v=tYWpC76kzvU
https://www.youtube.com/watch?v=dNpwvXFCwbE
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