2023年08月26日06時37分掲載  無料記事
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コラム

政治家の世襲制の悲劇  先祖が馬鹿なら馬鹿が濃縮されていく

  核汚染水を放流したことで中国が日本産の水産物を輸入禁止にしたことに驚いている日本政府を見れば、与党の政治家が何も考えていない本質的な馬鹿であることがわかる。なぜ馬鹿が国政のトップにあるのか?これは極めて不思議な事態のはずだ。日本国内に存在する様々な試験や選挙などの選抜は意味があるのか?ということでもある。 
 
  これを考えた時、日本の選挙の供託金の世界に類を見ない高さが世襲制の基盤になっていることがよくわかる。まさにこれこそが旧体制が存続する理由であろう。そして、学費の高騰もその基盤をなしている。要するに自然が与えた本質的な競争原理はそこには働いていないのだ。 
 
  そして世襲制の怖さとは、馬鹿な政治家が代を重ねるにつれて、馬鹿が濃縮されていくリスクがあることだ。これは生物学的な意味の近親相姦にちょっと似ているが、異なる機序による。親子や家族の間でイデオロギーが伝承されるのと同時に、地元の支持団体、後援会からもイデオロギーが注入される。二代目、三代目になると、政治家になるきっかけが人生の中になくても、その家系に生まれたということで政治家になることを期待され、それらのイデオロギーを注入される。そして政党に入って馬鹿同士で揉まれる。異なる思考回路の人びとと出会う機会はない。そのため、世界に開かれた新しい思想や世界の現実に向き合う以前に、思考回路が旧体制になって出来上がる。 
 
  家系図を示したり、官邸で内閣ごっこを繰り広げるのは、親のやってきたことを繰り返す遊戯なのである。新しい政治を目指す人間なら、そんなことよりも大切な行動があるはずだ。それは経験と思想と想像力の不足を示している。マスメディアの人間の世襲率はどうなのか。今後、濃縮率については社会学者に研究していただきたい。その社会学者が濃縮されていなければだが。 
 
  馬鹿が濃縮されていく。それが今の日本政治を形成している。日本が没落するのは当たり前であり、何の不思議もない。世襲制が続く限り、この国に明るい未来はなかろう。 


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