2023年08月31日19時21分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202308311921234

コラム

最低賃金時給1500円「2030年代半ば」までの目標だが、それまで日本人が生存しているか未知数〜フランスでは今年最低賃金の時給は1777円

  岸田首相は2030年代半ばまでに最低賃金1500円を「目標」にすると語ったとNHKが報道しています※。はっきり言って、日本の多くの人びとは「ふざけるな」と思ったのではないでしょうか。即1500円にしなさい、と。 
 
  なにゆえに10年もかかるのだろうか、と。その間に日中戦争が勃発していたとすれば、日本人がこの列島に生存しているかどうかもわからない、そんな無限大に遠い10年後です。さらに言えば、戦時国債の乱発でハイパーインフレになり、時給1500円は現在の10円くらいの価値しかなくなっているかもわかりません。 
 
  まずその前にアベノミクスはどうなったのですか?※※岸田首相は安倍政権にいたわけですから、まずその説明をすべきでしょう。なぜ日本人の実質賃金が他の先進国に比べてあまりにも低いのか。現在のフランスの法定最低賃金は11.27ユーロ(1,777円)※※※です。 
 
  10年後の1500円を目標にするよりも、むしろ明日の目標を1300円にしたらどうなのでしょうか。「明日の百より今日の五十」ということわざがありますが、これは未来が当てにならないことを示した日本人の英知です。 
 
 
 
※岸田首相 最低賃金2030年代半ばまでに1500円に 新たな目標表明 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230831/k10014179611000.html 
 
※※首相、1人あたり国民総所得「10年後に150万円増やす」(2013 日経) 
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFL050LJ_V00C13A6000000/ 
 
※※国民総所得「10年で150万円増」のはずが…たった半分 アベノミクス初期の政府目標は達成困難に (東京新聞) 
https://www.tokyo-np.co.jp/article/245306#:~:text=GNI%E3%81%AF%E5%9B%BD%E5%86%85%E3%81%A7%E7%94%9F%E7%94%A3,%E5%86%86%E7%A8%8B%E5%BA%A6%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E8%A6%8B%E8%BE%BC%E3%81%BF%E3%80%82 
 
※※※(フランス)法定最低賃金(SMIC)引き上げ(労働政策研究・研修機構) 
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2023/02/france_01.html 
「法定最低賃金(SMIC)が2023年1月1日から時給11.27ユーロに引き上げられた(注1)。引き上げに当たって政府に提出された専門家委員会の見解は、経済や雇用への悪影響を避けるため、政府による上乗せはせず引き上げ幅を抑制すべきとするものだったが、今回の引き上げはこれに従った形となっている。その一方で、2月8日に政府によって公表された被用者全体の賃金水準に関する調査結果によると、物価上昇に法定最低賃金は追いつくかたちとなっているが、被用者全体の賃金水準の上昇は物価の高騰に追いついていない。」 
 
https://www.youtube.com/watch?v=A8_okIhZMaQ 
  これは、フランスで昨年行われた「高い生活」(物価高)に対するデモ。「服従しないフランス(LFI)」などが主催し、気候変動と物価高に対する政府の政策を批判した。社会党のオリヴィエ・フォール第一書記やアタック・フランスのメンバーなども見られる。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。