2023年09月02日01時13分掲載  無料記事
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欧州

イタリアから里帰りで思うこと〜チャオ!イタリア通信 サトウノリコ

 今回、筆者は里帰りで日本に来ています。毎年一度の里帰り生活は、今年で16年目になりました。いつも一カ月ほどの滞在ですが、最初の1週間から2週間は、少し浦島太郎状態で、日本の生活に慣れる期間です。その後は、だんだん慣れてきて、ずっと日本に住んでいるような気分になってきます。そんな快調な気分の時に、イタリアに帰ることになるので、毎回後ろ髪を引かれる思いで帰ることになります。 
 
 今回、日本に帰ってきてびっくりしたことは、些細なことですが、流水でほぐして食べれるうどん、そば、そうめんに出会ったことです。我が家の子どもたちはうどんが大好きでイタリアでも時々作るのですが、うどんを買うのも一手間です。まずは、フィレンツェのアジア食材店に行って、うどんを買うところから始まります。 
 
 フィレンツェは仕事で週2回ほど行くのですが、本当に仕事と家の往復でその道から外れたお店に行くのは、私としては一苦労。さらに、麺つゆは高いので、自宅で醤油、砂糖、粉末ダシだけで作ります。水と混ぜるだけの麺つゆは本当に便利ですよね。日本のスーパーを見ていると、調味料やドレッシングの種類が多いことに驚かされます。野菜炒めも調味料を使えば、美味しくできるので、味付けに悩まされなくていいですね。イタリアでは、野菜やお肉のコンソメみたいのがありますが、基本は塩とオリーブオイル。香草もありますが、私はなかなか上手く使えてません。 
 
 さらに、日本のPASMOやsuicaのシステムも本当に便利でいつも感心させられます。イタリアには絶対ない便利さです。電車だけでなく、バスにも使え、買い物もできることには、本当に驚きます。日本に住んでいる方には当然のことでしょうが、私のようにバスの切符を買うのに、時々てんてこ舞いする人間には本当に便利すぎて、ショックですらあります。 
 
 私は仕事でフィレンツェに行く際にバスを利用するのですが、以前はそのバス停にあるバスチケット購入機が壊れていることが多々あり、そうするとバス停近くのバールに行ってチケットを買わざるをえませんでした。すると、今度はそのバールでチケットが売り切れていたり・・・。そうなると、バスの運転手から購入することになりますが、チケット代が2倍ぐらい高くなります。さらには、バスの運転手がチケットを持っていないこともあります。こんな事あり得る??というのが、イタリア。イタリアに住んで16年間、何度か無賃乗車をしたことがあります。結局、運転手も「自分持ってないし。。。しょうがないね・・・」その時は、他に乗客もいなく、私一人だけだったので、こんな感じでした。仮に、チケットを持っていても、お釣りを持っていない・・・。ということは、バスを使う時は、前々からチケットを買って用意しておかないといけない訳です。 
 
 最近はフィレンツェ内とその近郊都市を結ぶバス会社が合併して一つのバス会社になって、アプリケーションを使ってチケットを購入するようにということを推進していますが、誰もが携帯やパソコンを持っている訳ではないですよね。いざという時に、ネット環境がないこともありますし。やっぱりPASMOやsuicaはすごく便利です。世界に誇っていいシステムだと思います。大都市は大分改善されてきていると思いますが、都市近郊のような私が住んでいる町でこんな状況なので、交通機関については日本に比べるとまだまだ未発展な状況だと思います。 
 
 また、いつも夏休み期間に帰ってくるので、日本では子ども向けの企画をしてくれるのも楽しいですね。私の実家は西武線沿線ですが、今年はドラえもんやハリー・ポッター、ムーミンの電車が走ってました。近くの博物館ではいつも夏休み企画があり、今年は「ざんねんな生き物展」。何年か前はプラレールで展示室いっぱいに電車が走る企画もあり、我が家の子どもたちも大興奮でした。お店やレストランも子ども向けのものがあるのも、イタリアと全然違いますね。イタリアにはレストランでお子様セットないですもんね。 
 
 とにかく、サービスという点では日本は本当に良く考えられているなと思います。そういう部分での開発力がすごいですよね。イタリアはサービスとか効率性というより、やっぱり美術・芸術の国なんですかね、見た目やデザインにこだわる国なのかなって思いますね。 


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