2023年09月10日13時50分掲載
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コラム
なぜNHK職員全員が解雇されるべきか 国会で超党派でNHK特別法の制定を
1万人近い職員を抱えるNHKが政府御用媒体化して、国民を真実から遠ざけてきたことはクーデターと同じ程度の国民、視聴者の知る権利に対する重大な侵害行為であると私は思う。実際、NHKの協力がなければ安倍政権は史上最長政権を維持できなかったばかりか、おそらく2014年には終わっていただろう。そうなっていて、もし政権交代が起きていたら、国民の暮らしは今ほど追い詰められていなかった可能性もあるのだ。そして、NHKは戦時中、その過ちを犯しており、再犯は〜わかっていながらやった、という意味で〜戦時中などより、はるかに責任の重大性を増す。その意味で、個々によい番組があったとしても、全体としては誤った情報と重要な情報を伝えない不作為で国民を洗脳する反民主的な放送局になっている。
ではNHKの責任の追及について、なぜ報道セクションとか、政治部などの直接ニュースにタッチした人脈と経営陣だけにとどめないで、全員連帯責任なのか?という点である。NHKは津々浦々に支局があり、局員たちはすべての局員の顔を知っているわけではないだろう。しかし、自局がどのような内容のニュースを作り続けていいるかは理解していただろう。そして、それを放置した、と言えるのである。
NHKはかつてしばしば市民をスタジオに招いて討論を企画していた。NHKは重要な問題が起きたらみんなで話し合う文化を推奨していた。そもそもメディアの核心はコミュニケーションなのである。であるがゆえに、NHKの局内でニュースや報道をめぐって重大な権利侵害が行われているのだとしたら、まず自局内で話し合うべきことなのだ。青森支局の局員も沖縄の局員も東京に集まって話し合うべきだった。それが10年来、行われたとは思い難い。ニュースがなんであれ、私の持ち場はこれだから・・・とその小さなタコツボで小さな良心に甘んじてきたのだ。その小さな努力を無駄だとは言えないのだが、船の底に大きな穴が開いている時に甲板で美しい工作物を作って悦に入っているのは愚かでしかない。そして、この船は日本という船である。情報は国民の命と暮らしに直結し、その運命を大きく左右する。その責任感はどこに行ったのか?声をあげてきたのは差別されつづけてきた外部のフリーの製作者たちばかりだ。彼らはますます仕事を失い続ける中で、そうした声をあげ続けてきたのである。
それを考えた時、自浄作用のないNHKは一度全員解雇されるしかない。特に強制的に受信料を徴収しているだけにその問題は民放などよりはるかに重大である。したがって、NHK特別法を制定し、NHKの責任追及と人材の一からの入れ替えを行い刷新しなくてはならないと考えるのだ。そしてNHK局員は10年間は再雇用できないように設計すべきである。もしその間に報道や番組作りに真に情熱を失うことなく生き続けてこれたら、その人々だけは再雇用できるチャンスを設けるべきだろう。
武者小路龍児
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