2023年09月21日15時11分掲載  無料記事
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環境

再エネ100パーセントと公正な社会の実現を 気候正義の実現と脱原発を訴えて市民団体がパレード

 9月18日、再生可能エネルギー100パーセントと公正な社会の実現を目指して、代々木公園で大規模なイベントとパレードが行われ、約8,000人(主催者発表)の参加者が集まった。主催は、再生エネルギー100パーセントの実現を目指す市民ネットワーク「ワタシのミライ」、若者世代が中心となって気候正義を訴え掛ける「Fridays For Future Tokyo」(FFFT)、脱原発運動に継続的に取り組んできた「さようなら原発1000万人アクション」(さようなら原発)の3団体。強い日差しが照りつける中、参加者は「100%再エネ」「STOP気候危機」「原発反対」と書かれたプラカードを掲げながら、気候危機問題の解決や脱原発などを訴えて、渋谷・原宿周辺でパレードを行った。 
 
 代々木公園のメインステージで行われたトークイベントで司会を務めたのは、ワタシのミライの山本大貴さん。山本さんは、「原子力発電は、全く気候変動対策にならない」とした上で、原子力に代わる再生可能エネルギーの普及について、「再生可能エネルギー100パーセントというと『それは無理だ』と言われることもあるが、実際は十分可能である」と述べ、「再エネ100パーセントがエネルギーや人権の問題に対する解決策の一つである」と語った。 
 
 また、原発の問題に関して、メインステージで発言したのはさようなら原発の鎌田慧さん。福島原発における汚染水の海洋放出や老朽原発の再稼働を進める国の政策を問題視しつつ、「私たちの活動はいかに日本をきちんとした社会にしていくのかがテーマ」と語り、市民が声を上げることの重要性を強調した。さらに、気候変動問題に取り組むFFFTの川﨑彩子さんは、今回のイベントについて「3団体がコラボしたことに意義がある」と語った。川﨑さんは、「これまで気候危機問題を扱う中で、原発の問題にはあまり触れてこなかったが、今回若い世代も原発に対して反対していると表明することができた」とし、様々な世代が連携して声を上げていくことが、様々な社会課題の解消に繋がるとした。 
 
 今回の取組では、気候変動問題や脱原発運動に関わる市民団体だけでなく、幅広く入管・難民問題やジェンダー問題に関わる市民団体などが参加。登壇した仮放免高校生奨学金プロジェクトの加藤美和さんは、「今の日本で、社会教育として人権意識が受け継がれているのか疑問がある」とした上で、「様々な社会問題の根底には人の命と権利が関わっているということを意識していくことが重要」と語った。また、LGBT法連合会の神谷悠一さんは、「最近は揉めているのは怖いと言われがちであるが、声を上げていくことは民主主義の標準装備である」とし、「デモなどで声を上げていくことが現状を変えることに繋がる」と語った。 
 
 これまで、気候危機の問題については、10代、20代の若者世代、脱原発については、50代以降の年配の世代が運動を牽引してきたが、今回のイベントでは、公正な社会の実現を目指して幅広い世代の参加者が結集した。メインステージに登壇したFFFTの二本木葦智さんが「今回のイベントの〝ミライ″は、遠い先の未来ではなく、明日のことだと思っている」と述べたとおり、〝今″動き出すことがより良い〝ミライ″をつくり出す第一歩になるのではなかろうか。 


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