2023年12月23日21時08分掲載
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地域
【秩父から】おせどに木の実の落ちる夜は 大野和興
夜、両側を雑木の傾斜地にはさまれた道を歩いていると、ピシッピシッという音があちこちから聞こえてくる。木の実がはじける音なのだが、今頃なんの木の実だろう。例年だと10月から11月頃なのに。「里の秋」をふいに思い出した。
しずかなしずかな 里の秋
おせどに木の実の 落ちる夜は
ああ かあさんと ただ二人
栗の実にてます いろりばた
学芸会の定番の歌だった。
「おせど」は「お背戸」。
瀬戸というのは家の裏の出入り口をさす。
「瀬戸の山」というと、家に続く裏の屋敷林のこと。
木の実や竹の子、栗や柿、山菜がとれ、落ち葉は貴重な肥料になる。
農家にとっては貴重な宝の山だった。
その柿、今年秩父は異常ともいえる成り年で、どの柿の木もまわりが柿色
になるほど鈴なりだった。ほとんどだれも取らないので
果物の中で柿が何より好きなものとしては取り放題。
今年は随分柿を食った。
それもそろそろ終わり。なんだかさびしい。
写真は秩父市の隣の横瀬町の棚田にある柿の木。秩父雑穀自由学校も
ここで田んぼをやっている。
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