2024年02月02日16時59分掲載  無料記事
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中東

UNRWAへの資金拠出一時停止の撤回を!NGOが記者会見

 パレスチナで人道支援などを行うNGO「日本国際ボランティアセンター」(JVC)などは1日、国連パレスチナ難民救済事業(UNRWA)への拠出金停止を決めた日本政府に対し、決定の即時撤回を求める記者会見を開いた。 
 
 JVCの今井高樹代表理事は、UNRWAへの拠出金停止について「(ガザ地区において)大きな人道危機を招いてしまう」と警鐘を鳴らした。また、JVCなどは1月31日に上川外務大臣宛ての要請文(日本政府によるUNRWAへの資金拠出一時停止の撤回を求めます)を同省に提出した。 
 
同要請文については以下を参照。(JVC HPより) 
 
https://www.ngo-jvc.net/activity/advocacy/20240131_gazastatement.html 
 
〈日本政府によるUNRWAへの資金拠出一時停止の撤回を求めます〉 
 
上川 陽子 外務大臣 
 
 UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)現地職員の複数名がイスラエル側への攻撃に関与したとされる問題を受け、米国や欧米諸国の決定に追随する形で1月29日、日本政府がUNRWAへの3,500万ドルの追加拠出金を一時停止することが発表されました。私たちは、この決定の即時撤回を要請します。 
 
 昨年10月7日以降、約4ヶ月にわたる前例のない規模の空爆および地上侵攻の結果、パレスチナ保健省によると1月29日現在、ガザ地区では26,000人以上が死亡し、65,000人以上が負傷、8千人以上が行方不明となっています。イスラエル軍の通告により、ガザの人口の約80%である170万人以上が強制的に移動させられ、過酷な状況での避難生活を強いられ、食料、水、医薬品などの確保が非常に困難になっており、不衛生な環境下での感染症、飢餓に晒されている現状はまぎれもない人道的大惨事です。 
 
 この状況を受け、1月26日にオランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルにジェノサイドを防止するためのすべての措置を講じるよう暫定的措置を命じたことに対して、上川外務大臣がいち早くICJの役割に支持を表明し、暫定措置命令は「誠実に履行されるべきもの」と発表された談話(1月27日)を、私たちは強く支持します。一方、UNRWAへの拠出金停止という決定は、ガザの人びとの生活条件を破壊し、現在求められているジェノサイド防止のためのあらゆる措置に反するものであり、人道的な支援提供を確保するために迅速で効果的な措置をとるよう求めるICJの命令にも明らかに違反しています。 
 
 UNRWAはパレスチナ難民支援の中核を担ってきた組織ですが、今回の空爆により、少なくとも152人の職員が亡くなり、145のUNRWAが運営する避難所が攻撃されました。そして現在も155の避難所を運営し、生きるために必要な支援を人々に届けています。UNRWAは、ガザの人々にとって最後の命の砦であり、資金提供を停止することは、すでに危機的状況に置かれたガザの人々の命を奪うことに等しい行為です。 
 攻撃への関与に関する調査の実施については支持する一方、3万人の職員のうち一部の個人の関与を理由に、ガザの人々全体に対する人道支援継続を危機に陥れることは、国際法違反の集団的懲罰に該当する可能性があります。 
 
 私たちは、ガザの一般市民がこれ以上犠牲にならないよう、恒久的な停戦を訴え続けてきました。しかし、4ヶ月が経つ現在も毎日数百人が命を奪われ、そして生存している人々にとっても環境は日に日に過酷になっています。これ以上ガザ地区の一般市民が追い詰められることがあってはなりません。一刻も早くUNRWAへの拠出金の一時停止を撤回してください。 
 
2024年1月31日 
 
特定非営利活動法人国境なき子どもたち 
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター 
特定非営利活動法人パルシック 
特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン 
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン 
中東研究者有志アピール呼びかけ人 


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