2024年03月06日19時02分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=202403061902003
入管
【入管問題】名古屋入管死亡事件から3年 本質が変わらぬ入管制度 法務省前では市民がスタンディングアクション
2021年に名古屋入管でスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなってから、3月6日で3年が経過した。ウィシュマさんの命日に合わせ、霞が関の法務省前では、支援団体であるBONDがスタンディングアクションを実施。「ウィシュマさんが亡くなるまでのビデオを開示しろ」「外国人差別をやめろ」などと、訴えた。
BONDの学生メンバーである真栄田早希さんは「法務省はウィシュマさんが亡くなったことを、現場職員の責任として問題を矮小化し、責任を逃れようとしている。3年が経過しても、入管のやり方は何も変わっていない」と改善が見られない入管庁の姿勢を問題視した。また、同アクションに参加した学生の廣瀬裕己さんは、「3年という月日が経っているにも関わらず、その責任も原因もはっきりしない。ウィシュマさんだけでなく、何人もの命が入管施設の中で奪われているのに、それが罪に問われたことは一度もない」と、真相究明に至らない現状と変わらない入管行政の在り方に対する思いを述べた。
同日、遺族であるワヨミさんとポールニマさんは、ウィシュマさんの遺骨が納められている愛知県愛西市の明通寺を訪れ、同所で法要が営まれた。その後の記者会見でウィシュマさんの妹であるポールニマさんは「悔しい思いを抱えた遺族の気持ちを、収容されている人の家族には味わわせたくない」と思いを語るとともに、ウィシュマさん収容時の状況を記録したビデオ映像の開示と入管制度の改善を求めた。
ウィシュマさんが亡くなってから3年を迎えるにあたって、遺族代理人である指宿昭一弁護士は、「今も入管行政は1ミリも変わっていない。真相究明のために遺族二人の時を止めてしまっていることについては責任を感じており、(日本に滞在してくれることは)ありがたいけれども、これでいいのかという思いもある」と複雑な胸の内を語った。
ウィシュマさんの事件をきっかけに、日本の入管制度の問題点を指摘するメディアが増え、若者を中心とした多くの市民が声を上げるようになった。しかし、事件の真相が明らかになったとは言い難く、この状況に憤る市民も多い。同事件に関する国賠訴訟の次回口頭弁論は5月22日に予定されている。本事件がうやむやにされず、真相が明らかになることを市民は求めている。
↓CALL4(名古屋入管死亡事件国賠訴訟)
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000094#case_tab
↓BOND・X(旧Twitter)アカウント
https://twitter.com/nanmin_bond?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。