2024年06月18日21時45分掲載  無料記事
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政治

朝鮮人追悼式典 都知事選候補者にアンケートを実施

 東京都知事選挙(選挙期日:7月7日。告示日:6月20日)が迫る中、「『関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年犠牲者追悼大会』実行委員会」(以下、追悼大会実行委)は、6月17日、衆議院議員会館で会見を行い、都知事選挙の各候補者に対して、都知事として朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を送る意思があるかを問うアンケート調査を実施することを発表した。 
 
 関東大震災朝鮮人虐殺追悼式典は、1974年以降、市民団体によって毎年9月1日に横綱町公園(東京都墨田区)で開催されており、昨年は同震災から100年の節目を迎えた式典となった。同式典には、73年に追悼碑の建立に賛同した美濃部亮吉都知事を最初に、歴代の都知事が追悼文を送ることが恒例となっていた。しかし、小池百合子現都知事は、知事に就任した翌年2017年以降、追悼文を送らなくなった。 
 
 会見で追悼大会実行委の野平晋作氏は、「都知事選挙には多くの論点があり、各候補者の歴史に対する認識もその1つだと考えている。有権者である都民の方々には、アンケートの調査結果を参考にし、各候補者の歴史観を確認した上で投票してもらえればと思う」とアンケート調査の趣旨を説明。追悼大会共同代表の田中宏氏は、「歴史認識問題が社会の中で議論されることは多くない。今回のアンケート調査を機に、都民にも各候補者にも歴史認識問題に向き合ってもらいたい」と述べた。 
 
 これまで追悼式典を主催してきた「関東大震災朝鮮人虐殺追悼式典」実行委員会委員長の宮川泰彦氏は、「小池都知事は、追悼式典に追悼文を寄せなくなったが、選挙でどの候補者が都知事に就任しても式典に追悼の辞を寄せてもらいたい」としつつ、会見の最後に次のように思いを語った。 
 
 朝鮮人に対する虐殺を認めたくない歴史として感じ取っている人も多い。しかし、だからと言って、実際に起きた過去の歴史を無いものにしてしまうことは、社会の流れとして許されない。辛い過去、振り返りたくない過去から目を背けることは、再び似たような間違いを犯すことに繋がりかねない。記憶を引き継いで、2度と同じような間違いを起こさないことが、今を生きる私たちの責務だ。 
 
 追悼大会実行委は、アンケート調査の回答が得られ次第ホームページで調査結果を公表し、選挙期日(7月7日)の前日まで随時更新する予定でいる。同アンケートの調査結果は、都知事選挙における候補者の判断材料のひとつになり得る。各候補者に対しては誠意ある回答を求めたいところだ。 
 
【関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年犠牲者追悼大会HP】https://100nen-jikkoui.blogspot.com/ 


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