2024年07月23日12時43分掲載  無料記事
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欧州

夏休みに起こる悲劇〜チャオ!イタリア通信(サトウノリコ)

 7月18日、ヴェネツィア市で1歳半の女の子がお父さんの車の中で死亡するという事故がありました。お父さんは仕事に行く途中で、女の子を保育園か親戚に預けるのを忘れてしまったのが原因です。日本でも時々起こる事故ですが、どうして親が子どものことを忘れるんだろうと信じられない話ですよね。自分も子どもを持って、こういう事故を耳にすると、「信じられない・・・」と思うのですが。多分、加害者の親も自分で説明できないと思うんですよね、どうしてこんなことが起こってしまったのか。 
 
 7月に起こった事故なので、車の中は本当に暑かったと思います。車の中じゃなくても、ここ数日は本当に暑くて、気温が40度近くになっていたので、車の中は言わずもがな、50度以上になっていたんじゃないでしょうか。お昼休みに駐車場に来た、お父さんの同僚が女の子に気が付いて、救急車を呼んだということで、朝から3、4時間、車の中に放置されてしまったんですね。 
 
 イタリアでは1998年から現在までに12件、同じような事故が起こっているとのこと。事故の内容を見ると、大部分は親が仕事に行く途中で子どもを保育園に連れていき忘れて、仕事場の駐車場に放置してしまったということです。親が仕事のことに集中していたのか、他に考えられるのは、イタリアの長い夏休みのせいかも・・・。 
 
 イタリアは6月上旬で小中学校、高校が夏休みに入り、幼稚園、保育園も6月いっぱいで閉まります。長い夏休みの中、共働きの親たちは子どもを祖父母に預けたり、centro estivoという申し込み制で1週間単位で子どもの面倒を見てくれるところに預けます。普段とは違う場所に子どもを連れていくわけですが、いつものルーティーンと違うためにうっかり子どものことを忘れてしまうのか・・・とも考えました。しかも、小さい赤ちゃんは、たいていベビーシートに乗せて、後ろの座席にいますよね。静かに寝てたりすると、その存在が目に入ったり、耳にしたりということもなくなると・・・。いや、考えたくないですが・・・起こりうるかもしれない・・・。 
 
 私の子どもは2014年生まれなので、全く知らなかったのですが、イタリアでは2018年の10月から4歳以下の子どもを車に放置しないための装置をベビーシートに装着するのが、義務になっているそうです。子どもを車に放置するとその装置がアラームを鳴らすか、携帯が鳴るという仕組みらしいです。子どもの両足の間にあるベルト部分に装着するようになってます。値段は約10ユーロ(1700円ぐらい)から約60ユーロ(10200円ぐらい)の幅があります。ただ、そのような装置を装着することになっても、こういう事故が起こるので、最後はやはり人間の手が必要なんだと思います。 


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